fc2ブログ

士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

04«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»06

M&A成約後一年が経過して 

 昨年の12月に、弊社にてM&Aの仲介を行い成約した会社がありました。(以降、仮にその会社を甲社様とします。)
その後、甲社からご依頼を頂いて、税務顧問として引き続き関与させて頂いております。
 本件については、契約に当っていろいろな問題点があったのですが、調印後一年経過して、それらの問題も大分整理がついてきました。先週甲社を訪問して打ち合せしましたが、今度の決算で処理が完了する見込みとなり、一区切りつきそうだと安心いたしました。

 甲社は、売主の社長様(Aさんとします)が年齢的に引退を考えたいということで会社を譲渡することとなったのですが、事業そのものはしっかりしていました。
ただ、M&Aに当っては、財務の面でいくつか問題点がありまして、会社の内容を調査して評価を行い、譲渡の条件等を協議、調整する必要がありました。

 主な問題点としては、以下のような事項です。
・滞留している在庫がある。
・過去に退任した役員や一部の従業員に対して、退職金や給与の一部が未払の状態が長く続いていて、その支給金額について合意が取れているか不明瞭の人もいる。
・上記の退職や退職金支給に関する手続がどのように行われたのかが不明確で、適切な処理が行われていない恐れがある。
・過去の株主から、現株主への株式譲渡の履歴について、その経緯や内容を確認できる資料が完全に整っていない。
・決算書に計上されている未払金に、長く支払われていないものがある。
・決算書に計上されていない未払金があり、支払先との話しがはっきりしないまま年月が経過しているものが何件もある。

 それぞれなかなかやっかいな問題でしたが、Aさんは誠実な方で隠すことなく資料を開示し説明してくれましたし、責任もって処理に当っても下さいましたので、買い手さん(Bさんとします)との信頼関係も損なうことなく、買収に当っての条件調整や問題点への対処の仕方など、双方納得頂ける方向性をまとめることができ、成約後も大きな混乱やトラブルなく無事承継が進んでいます。

 M&Aの交渉中の昨年四月には、これから甲社の内容を調べて評価を行おうというタイミングで新型コロナ感染症による非常事態宣言となり、一時はAさんも状況を悲観してあきらめの言葉が漏れることもありました。しかし、そんな時でもBさんは「この事業は世の中で必要とされる事業なのは間違いないから、コロナが落ち着けば必ず盛り返せるし、コロナが長引いても絶対になくならない。本件をあきらめる気はないし、慎重に検討はするけれどもむやみに長引かせる気もない。必要以上に悲観することなく、いまやれることを考えていこう」とぶれることなく、私たちはその言葉に大変励まされました。

 今の時点でコロナの感染者数はかなり減少してきていますが、まだ完全に終息したとはいえません。こんな状況ですが、甲社の事業はコロナ前と比べても売上は増加し、まずまずの業績となっています。Aさんの対応も良かったのですが、Bさんの経営手腕によるところも大きく、世代交代、事業承継がとてもうまくいったケースだといえます。

 一般に、M&Aの後でトラブルが生じることは少なくありません。甲社のような問題点があると、成約に至らないこともままあります。甲社の事例は、Aさん、Bさんの人間性や経営者としての能力に負うところもありますが、事前に十分調査を行い、対応策と条件調整をしっかり行ったことが成功の鍵になったと思います。

 弊社では、仲介やアドバイザー、買収監査等で関与したM&Aの後、税務顧問等のご依頼を頂いて引き続き関与している会社がいくつかあります。それぞれ苦労はありますが、上記の甲社さんのように無事に事業が承継され成長するのに立ち会えるのは、とても嬉しいことです。


スポンサーサイト



M&A /  Trackback -- /  Comment --

△page top