FC2ブログ

士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

03«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»05

経営者に個人保険は必要か? 

【経営者に個人保険は必要か?】
by 伊月貴博

 フィナンシャルリンクサービスの伊月です。

 先日、弊社のクライアントであるオーナー経営者から、「会社の保険は伊月さんのところで確り準備させて貰ってるんだけど、私個人で加入する保険は必要なのかな?実は今、個人では何も入っていないんだよね…」という軽い相談がありました。

 一般的に、オーナー経営者で配偶者が役員になっているような中小企業の場合、所得税や社会保険料を差引かれた後の役員報酬から保険料を支払う個人保険に加入するより、税の繰延べ効果や退職金、事業保障、事業承継資金等に活用出来る法人保険に加入しておいた方が、メリットが大きいので、上記のような考え方の経営者が多いのが現状です。

 確かにその通りなのですが、これはあくまで入口(ご加入時)におけるメリットであって、生命保険の機能が最も大きく発揮されるのは出口(お支払時)で、入口~出口迄のリスクをトータルで考えた場合、経営者は法人と個人、両方でキッチリ備えておかなければならないというのが私の結論です。

 今回は特に、出口(お支払時)に個人保険に加入しておく必要性を考えます。

 経営者の死亡後に保険金請求手続きを行うには、後継者を法人の代表者として法務局にて登記しなくてはなりません。契約者である法人は、新たな代表者の登記完了後にはじめて保険金を請求することが可能になります。 その後、保険会社に請求書を提出して保険金支払まで約1~2週間、書類に不備があれば1カ月以上かかることもあります。つまり法人契約の死亡保険金を受け取るまでには1カ月程度は見込む必要があり、長くなれば2カ月以上の時間が必要であるということがお分かり頂けると思います。

 特に、上記のうち代表者の変更については、注意が必要です。急に社長が亡くなった場合など、誰が後継者として代表に就任するかで紛糾することは決して珍しくありません。現社長の内心として、あるいは親族内において後継者が決まっていたとしても、従業員(例えば親族でない番頭格の役員)から支持が得られなかったり、重要な取引先から異議が挟まれたり、金融機関等に借り入れがある場合などは、新しい代表者に対して個人保証や担保提供が求められたりして、思うように進められないケースが散見されます。計画的に事業承継を進めていればそのようなことは回避できますが、現実には計画的に事業承継を行っている同族会社は極めて稀であり、突然社長に不幸があった場合(不幸はたいてい突然あるものですが)、代表者の変更には単に登記手続をする以上の苦労がつきまとうようです。そのような場合は、保険金を請求する手続も連動して遅れてしまうことはいうまでもありません。

 経営者の死亡後、取引先への支払いが手形・小切手から現金に変更されたり、銀行の融資が突然打ち切られたりすることにより資金繰りが悪化して、会社が倒産することは珍しくないことです。会社が倒産すると、保険金の請求権は契約者から会社の清算人(通常は弁護士)に移譲され、保険金も会社では無く、清算人に支払われることになり、結果的に経営者の遺族に死亡保険金が全く支払われないケースもあります。

 一方、経営者個人保険の請求については、被保険者(社長)が死亡後、約1週間程度で市町村の窓口で除籍謄本や住民票が取得可能となり、その後受取人が保険金を請求すると、通常1週間程度で保険会社から保険金が支払われます。

 経営者の死亡によって資金繰りが苦しくなった場合、一時的に個人の生命保険金を会社に流用して資金繰りを凌ぎ、その後法人契約の死亡保険金を受け取った法人から、貸付金返済と死亡退職金を受け取るといった手続きが可能になります。
 経営者の個人保険の役割は、家族の保障、病気や生活障害になった時の保障、老後の生活資金の積立といった一般的な機能に加えて、経営者の死亡又は高度障害によって一時的に苦しくなる可能性がある会社の資金繰りを保全する役割もあると言えるのです。

 確かに、経営者に限らず、「万が一」が発生する確率は高くは無いと思いますが、最近の傾向として多くなって来ているのが、重い生活習慣病や障害、介護と言った、所謂、生きているんだけれど、働けなくなってしまうことによる所得喪失、生活保障、費用補填に備えたいというニーズが急速に高まって来ている点です。

 生命保険会社側もこれまでの、「死んでいくら」「入院でいくら」という保障内容から、「働けなくなったらいくら」「医療・障害・介護費用がかかったらいくら」といった、現代社会の実勢に即した、「収入保障型」や「生前給付型」の新商品を相次いで投入して来ておりますので、経営者個人のみならず、出口(支払い・給付)を意識した、適正な保険の見直しをしていく必要はあると考えます。

 早いもので私も生命保険の取扱を始めて8年になりますが、ここ最近、出口(お支払い)対応を何件か経験し、生命保険の重要性を体感しましたが、改めて、出口に繋がる入口(ご加入)のコンサルティングも同様に大事であると感じた次第です。
スポンサーサイト



会社経営 /  Trackback -- /  Comment --

△page top