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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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債務整理の事例 その2 

【債務整理の事例 その2】
by 加藤雄一

 皆様、こんにちは。私は、丸の内アドバイザーズグループの登記関係を担当しております。四谷司法事務所の司法書士加藤雄一と申します。
前回に続いて債務整理の事例です。

(事例2)Bさんの場合-会社経営者の過払い請求

 Bさんは、個人事業からの延長で会社を経営されている方です。会社経営といっても従業員は奥様ぐらいで、自分=会社という経営規模です。もともとBさんは税理士さんからのご紹介でした。会社の資金繰りが厳しい中で、過払い請求というのがあるということを思いついて、アドバイスされたそうです。

 個人で会社を経営している方に多いですが、各種支払の関係や、売上から入金までの時間がかかる場合などに、一時的に代表者が個人的に資金を立て替えるということはよくあります。
かといって、代表者自身にそれだけの資金的余裕がなければ立て替えなどできないので、簡単に数十万円を借り入れできるカードキャッシングなどでまかなう方もいらっしゃいます。
一旦、キャッシングをしてしまえば、返済をしている限りは次回以降は借入枠内であれば自由に借り入れできるので、自分のもう一つの財布のような感覚になるそうです。

 しかし、金利は当時20数パーセントですので、1ヶ月後に全額返済を一括で行うと言っても、そういう金額が積もり積もって結構な額になります。
各債権者から取引履歴を取り寄せ再計算してみると、相当な額が過払いとなっていました。

 そのことをBさんに伝え、過払い請求した場合のデメリットともいえる事項をお伝えしました。
それは、過払い請求をしたカード会社との取引が今後制限されるということです。(キャッシングだけでなく、クレジット機能の分も)

 カード会社によって対応が異なるので、全部が全部というわけではありませんが、Bさん所有のカード会社は、過払い請求を行うとカードの会員資格も喪失するという取り扱いでした。
今回は、もともとBさん自身がクレジット機能やキャッシングについては、会社の事業のこともあり今後も利用したいという意向がありましたので、債権者となるカード会社には、過払い請求を行わないで、まずは取引履歴の取り寄せのみを行っていました。

 計算結果による過払い金額と今後のクレジット、キャッシング予定で判断してもらうことにしたのですが、Bさんからは意外にも、「過払い請求を行わないでこのまま様子見で。」という回答を得ました。
会社の代表者の方の経営判断なので、私は尊重しましたが、非常に苦しい決断のようでした。すでに何社かは返済などが遅れがちになっていたため、新規で他のクレジットカードなどを作ることが難しい状態であったことも社長の判断だったのかもしれません。

 ただ、同じ様な過払い先が数社あったので、1社のみ残して他は、過払い請求をしていくことになりました。それだけでもある程度まとまった額になったのでBさんとしては、満足していただけたのではないかと思います。
会社というものの資金繰りの大変さや、カード会社の冷たい扱いなど、考えさせられる案件でした。

(事例3)Cさんの場合-会社経営者の過払い請求

 前に記載したBさんと似たような部分もありますが、Cさんも会社経営者です。
Cさんの経営する会社は従業員が数名いるのですが、苦しい資金繰りを強いられていたそうです。
取引先は大手なので、売り掛けの回収は確実なのですが、相手が大手なので支払サイトが、請求書送付後6ヶ月後になるそうです。そのため、売り上げはあるのにキャッシュが無いといった状況です。
そこで、給料の支払時期になると、現金に不足が生じることもままあったそうです。そのため、Cさんが個人的に立て替え払いをしたり、カードでキャッシングをして、その資金で支払をするということもありました。
個人的な利用はほとんどなく、毎月給料日前に大きく借りて、翌月までにはすっぱり返済するといった利用方法でした。それが、過去10数年ほど続いている状況です。特に返済の遅れなどもありません。

 これは相当な過払いが期待できるのですが、いただいた資料から、ほとんど期待できないことになりました。最近の過払い請求の現場としてはこういう事態が数多く存在しています。つまり「相手が悪かった」ということになります。

 過払い請求は、相手の懐事情次第で結果が分かれます。相手が既に法的整理に入っていたり、事実上返済能力が無い場合は、権利だけあっても、実現可能性が無いということになります。
これは、立場を置き換えてみればわかると思います。借金の返済が出来なくなった場合は、法的整理(破産など)になってしまえば、基本的には借金は棒引きとなり、大幅な減額をしてもらうことになります。

 残念なことに、Cさんが借入していたのは、そのような状態になってしまった会社でした。私のところに相談に来た際には、既にその会社は会社更生法の適用を申請してしまっているという状況です。
こういう法的整理に入ると、返済率としては、元本の数パーセントになってしまうことがほとんどです。つまり、100万円返せ!と請求できるところ、わずか数万円ということになってしまうのです。
わずか数万円と言ってもゼロでは無いので、手続を採る必要はありますが、専門家に頼むとその費用がかかってしまうので、費用だおれの可能性もあります。

 結局、この会社に対してはCさんご自身に頑張って対応いただき、その他の過払い先は、当方で対応することになりました。2、3年ほど早くご相談いただけたら、違った結果になっていたかもしれないことを思うと、非常に残念です。
Cさんも気落ちしたようですが、気持ちを切り替えて、その他の部分は無事過払い請求により取り戻しましたので、Cさんもご安心されたようでした。

 Cさんからは今でも、お知り合いの方をご紹介いただいているので、結果や私どもの対応に満足していただけたのだなと思い、私達にとっても嬉しい限りです。

(次回に続きます)
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