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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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不法占有者の退去 

【不法占有者の退去】
by 岩松琢也

 丸の内アドバイザーズの岩松です。

 先日、ある方(女性)がご遺言を作成するに当たり、相続財産をリストアップしていたところ、かねて懸案となっていた問題物件についてもこの際整理をしておこうという話しになりました。

 その問題物件というのは、何年か前に旦那さんが亡くなった時に相続した不動産の内の一つなのですが、相続人である奥さんもそれまで全く知らなかった物件でした。どうやら旦那さんが生前競売で取得したもののようなのですが、底地とその上に建っている建物はその旦那さんの所有であることはまちがいがないのですけれども、その建物は権利者である旦那さんとは関係のない人が占拠している状態でした。 その建物を占拠している人というのが、どうやら右翼かそれに近い政治団体のようで、それらしき看板が掛けてあったり、街宣車も持っているようでした。

 登記や競売の記録、固定資産税の納付状況などから、亡くなった旦那さんが正当な権利者であることに間違いはないものの、どうしてそのような状態になっているのか経緯のわかる資料は見つからず、相続人である奥様も全く話しを聞いておりませんでしたので、どう対応したらいいか判断がつきかねておりました。占有している人が権利者でないことは明らかなのですが、なにしろ一般の人とは違いますので、なまじ連絡を取って何が起こるかも想像ができなかったことから、敢えてこちらからはアクションを起こさず、ただ固定資産税を払って放置しておく状態のまま、相続以来数年間が経過しておりました。

 その間、占拠している側からも何も連絡はなかったのですが、何年もの時が経過して、いつまでも放置しておく訳にもいかず、また、特に今回遺言書を作成するに当たり、この物件についても子供達に先送りするのではなく、この際きちんとしておく方がいいとのお考えに達しました。

 しかし、なにしろ相手が相手ですので、どのように対応するのがいいのかあれこれ検討した結果、いわゆる反社会的勢力に関する事案について特に多くの経験のある弁護士の方にご相談し、解決を依頼することとなりました。

 その弁護士の先生との打ち合せでは、十分解決できる見込みありという見立てで、自信もお持ちのようでしたので安心したのですが、ご自宅に街宣車がきたり脅迫されたりという恐れはきわめて少ないがゼロとはいえない、とのことでしたので、一抹の不安は持たざるを得ませんでした。

 上記のような経緯で取りかかっていただき、1年以上はかかっても仕方がないと思っていたのですが、思いの外スムーズにコトが運び、結果としては3ヶ月ほどで退去が完了して明け渡しを受けられました。
その間、奥様は特に相手との話し合いや法廷の場などに出て頂くことも一切なく、ましては脅迫や街宣車の登場といったことも全く起こらず、ほとんど手を煩わせることなくすみました。

 予想外にスムーズに解決をみて、不動産管理会社や信託銀行など相談を受けていた関係者の方々と驚きと共に話したのですが、やはり餅は餅屋でこの分野に長けている専門家に任せたのが良かったし、その先生からの報告を聞いてみて、素人が不用意に接触していればどんなことが起きたか想像もつかず、下手に動かずに静観しておいたのも賢明だったということでした。

 上記のケースでは、相続に当たって残された奥さんは何も知らなかったために少なからず時間やコスト、精神的な負担が生じてしまったのですが、子供さん達には先送りをせずにすみました。
 相続人のことを考えると、遺言書の作成と共に、相続財産についての情報をまとめると共に、問題のある資産についても整理をしておくことが重要です。
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