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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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税務調査は断れるか? 

【税務調査は断れるか?】
by 岩松琢也

 新年おめでとうございます。丸の内アドバイザーズの岩松です。本年もよろしくお願いいたします。

 昨年末の選挙で、政権が民主党から自民党に変わり、年が改まると共に毎日のように税制改正の記事が新聞を賑わせております。例年は年末くらいに税制改正大綱が公表されるのですが、今回は年末に政権与党が変わったこともあって、2月から3月くらいにずれ込みそうだといわれております。

 昨年の税制改正で決まった事項の中に、税務調査手続に関する項目があり、今年の1月1日以降に開始する税務調査から適用されることになります。例えば、税務調査を行うに当っては、調査に先立って原則として事前通知を行うことが法律上明確化されました。これまでも税務調査の際にはたいてい事前の通知は行われていたのですが、それが法律により明確になったということです。

 税務調査の連絡は、申告書に税理士の押印があれば通常まず税理士に連絡が入ります。税務調査を受けて嬉しい人はいないだろうと思いますが、税務調査を断る方法はあるのでしょうか?残念ながら税務調査を断ることはできません。調査官には国税通則法という法律において「質問検査権」が認められており、この質問検査権を妨げる行為については罰則が設けられているからです。

 ただし、急に税務調査の通知があっても、調査官の希望する日時に応じられないことはままあります。重要な予定が入っていたりして応じられない場合は、日程を調整してもらうことは可能です。たいていは社長の都合と税理士の都合を調整して調査実施日を決めることになります。調査官にも都合がありますので、何ヶ月も先に延してもらうことは難しいと思いますが、数週間程度ずらしてもらうことはよくあります。ただし、社長についていえば、必ずしも調査の間ずっと張り付いていなければならないわけではありません。だいたい半日程度は会社の概況などを説明する時間を取ってもらう必要はありますが、あとは税理士に応対を任せることは可能です。むしろ税務調査に不慣れな社長が応対するよりも、税理士に任せた方が安心な面もありますので、どちらかといえば、社長は半日程度の時間をとれればいいので、税理士の時間を取りやすい方を優先して日程を調整するのがいいように思います。

 上記のように、原則として税務調査は事前に通知することが明文化されたのですが、しかし、予告無しの調査が全く行われなくなるわけではありません。調査対象の申告内容や過去の調査結果、事業内容の特性や税務当局のつかんでいる情報などにより、適正な調査の遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は事前の通知無く調査を行うことができるということについても、同様に国税通則法で明文化されております。例えば、飲食業などの現金商売の会社などは、事前通知なしに調査が行われることが多いといわれております。

 それでは、もし不意に税務調査が入った場合はどのように応対すればいいのでしょうか?前述のように、調査そのものを断ることはできません。しかし、だからといって予告のない調査に対して、無条件にそのまま受け入れなくてはならないわけでもありません。強制捜査である査察の場合は別ですが(税務調査官の行う税務調査と、査察官の行う強制捜査である査察は別物です)、都合が悪ければその旨を説明して別の日に調査をしてもらうよう頼むことは可能です(調査官も簡単には認めてくれませんけれども)。例えば、顧問税理士に連絡するので、と言って待ってもらい、税理士と連絡を取った上で、税理士から調査官に日程の調整を交渉してもらう、といった対応が考えられます。

 以上は税務調査の事前通知に対する対応ですが、これとは別に「書面添付」という制度があります。これは、所定の事項について、税理士がどのように計算等を行って申告書を作成したかなどを記載した書面を申告書に添付するというもので、この書面添付が行われている場合は、原則として税務調査を行うに当っては、事前にまずその税理士に対して、その書面の記載事項について意見を述べる機会を与えなければいけない、という制度です。つまり、書面添付が行われている場合には、税務調査を行う前に、まず税理士が調査官に対して説明等を行うことになり、それで調査事項が明らかにならない場合にのみ、税務調査が行われるということになります。従いまして、書面添付が行われている場合には、予告なく調査が行われたり、会社に調査官がやってきて調査が行われる恐れが少なくなります。これも、もちろん例外はあるのですが、やはり調査が入れば大なり小なり税額が発生する可能性は高いですし、心理的な負担もありますので、ご一考の価値はあると思います。
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