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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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初めての海外進出 

【初めての海外進出】
by 幸村俊哉

弁護士の幸村俊哉です。

 5月のブログの冒頭に「円高」の問題にちょっと触れました。3月にも公認会計士の岩松先生が仕組み債をベースに円高問題を扱っていましたし、東日本大震災の時期以降の日本の中小企業の危機の一つに円高問題があることに間違いはありません。

 岩松先生が扱った円高による損失処理の問題の解決方法(金融ADRなど)については別の日のブログに譲るとして、今回は、中小企業の円高対策でもある海外への進出について書いてみようと思います。最近、新聞などでもジェトロと日本政策金融公庫が業務提携をしたという記事が載っていました(平成24年10月26日日経新聞)。また、本屋に行くと中小企業の海外進出のための手引き本などをよく目にするようになりました。私自身は直接お手伝いをしたことはないのですが、弁護士会などでもこのテーマが話題になっていますので、ざっとこの機会に書いてみたいと思います。

《何のために進出するのか?》
 このブログを読み始めているということは、皆さんも何となく海外進出に興味がある、海外進出しないと何となく不安ということがあるのだと思います。もちろん、既に重要取引先からの誘いがあるような場合には、実際に具体的に話を進めざるを得ず、何をどうすればいいのかという不安に変わっていると思います。
 それ以外の場合、中小企業が海外に進出しようとするときには、販路の拡大かコストの削減(材料費や人件費の削減)などが大きいでしょう。
 以下、いくつかの項目について書きますが、まずは自社が何のために海外進出するのか、再確認しておくことが重要です。それによって拠点をどこに置くか等の重要な事項が変わってくるからです。

《どこに進出するか?》
 一言で「海外進出」と言っても、進出する先の国ごとに事情は全く異なります。
海外進出の主な理由が取引先の企業からの誘いであれば、その誘われた国に行くほかないでしょう。そうでない場合には、まずどこの国に進出しようかと考えると思います。上記のとおり、海外進出の目的は人件費・材料費などのコストの問題か、その国での販路の拡大などでしょう。そうすると進出対象の国は中国・インドその他アジアの国々になってくることが多いと思います。
 では、アジアの国のどこに的を絞ったらいいのか?私自身興味があるところです。今回このブログを書くにあたって参考にした5冊のうち4冊が国別のシミュレーションをしていました。数えてみると中国(4冊)、インド(3冊)、インドネシア(4冊)、マレーシア(1冊)、フィリピン(1冊)、シンガポール(1冊)、韓国(1冊)、タイ(4冊)、ベトナム(4冊)、カンボジア(1冊)、ミャンマー(1冊)、パキスタン(1冊)でした。一般に予想されている中国、インド、タイのほかにインドネシア、ベトナムが多いということが分かりました。もちろん、これ以外にも個別の国ごとにしっかりとした本が出されていたりしますので、単純には比較してはいけないかもしれませんが、単純に考えれば扱っている本が多いほど進出に適している事情があるのでしょうし、実際にも情報を取得しやすいでしょう。

《何を調査・検討すればいいのか?》
 アジア各国ごとに事情が違うと言っても、ただその国の事情のみを書いても比較できないと思います。先ほどの5冊をみてみると、①その国自体の問題(政治・経済・社会(宗教・民族性など) ②労務問題 ③現地での生活の問題などの項目が目につきました。もちろんこれ以外にも進出の目的にそって現地のインフラの整備状況や現地・日本での各種規制(営業・投資)・税制や投資の歓迎度・資金調達の難易なども重要です。弁護士としては、当然、各事項についての現地の法律に関連する事項も調べて欲しいと思います。

《どうやって調査するのか?》
 入口としては本やインターネットで幅広く情報を収集することになるでしょう。セミナーの参加も勧められているようです。その上でface to faceで公的機関や金融機関からある程度の一般論を聞くことになるでしょう。
もし知り合いに既に海外進出している会社があれば、上記の事項について並行して相談してゆくことになると思います。
 更に、具体的な手引きは海外進出コンサルタントを利用することになると思いますが、信用できるか、費用はいくらかも重要な問題ですので、できれば顧問弁護士や顧問税理士などから紹介を受けたいところです。また、調査会社などは、自分が知りたいポイントを絞って依頼することが費用や目的の面からも重要です。見積もりの際によく相談すべきです。
 弁護士会もジェトロや商工会議所や日本政策金融公庫などと提携して海外展開に強い弁護士の紹介なども行っているようですので、相談に利用するのもよいでしょう。
http://www.nichibenren.or.jp/activity/resolution/support.html

《今後は?》
 10年以上前、中国に進出した日本の企業が痛い目にあったという話を耳にしました。その時には、海外なんて行くもんじゃないよね、という風に考えていましたが、日本の将来が人口減になること、ここまで円高が進んでいることを考えると、もはやそれではすまない時代になってきていると思います。
 以上書きましたように各国では事情が様々ですし、各企業の進出の目的や状況も違います。今回、このブログを書くにあたって感じたことは、まずは幅広く情報を集め、進出先を絞っていき、絞ってからはかなり詳しく調査・検討を進める。その際には自分で調べられることは調べるのが当然としても、知り合いに詳しい人がいれば聞く、いなければ紹介してもらう、費用を払ってでも調査するという姿勢が重要と思います。ただ、その一方で将来は現地の事情も為替も大きく変動する可能性が十分あります。いざという時には進出に勇気をもって決断したのと同じく撤退にも勇気をもって決断していくことが重要と思います。
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