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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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金融円滑化法 

【金融円滑化法】
by 幸村俊哉

 こんにちは。弁護士(東京丸の内法律事務所)の幸村俊哉です。
前回5月のブログ【中業企業は持ちこたえられるか?】でも少し書きましたが、今回は「金融円滑化法」について少し詳しく書きたいと思います。

【金融円滑化法とは】
 金融円滑化法は、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」というのが正式名称です。
 この法律は、ごくごく簡単に言えば、弁済が厳しい中小企業などから貸付条件の変更、つまり、リスケ(弁済金額や期限などをゆるくしてもらうなどのこと)や、借り換えの申し出などがあったときには、銀行などの金融機関は、それを認めるように努力しなさいよ、銀行などの金融機関を監督する役所もこの法律の趣旨を尊重して、不良債権として扱わなくてもいいように認めるなど、検査や監督を実施しますからね。ということを主な内容とするものです。
★金融庁パンフレット「中小企業の事業主の皆さんへ」
http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu/02.pdf

【最終期限は来年3月末】
 法律名に「臨時措置」とあることからわかるように、この法律は期限があります。その期限は二度延長され、最終の期限がいよいよ来年の2013年3月までとされています。
 また、これにあわせて政府の「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」というものも公表されています。
★金融庁 パンフレット「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」
http://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu/enchou120331.pdf
 しかし、この政策パッケージには新たな公的融資や保証の制度などは記載されていません。また、現時点でそれを打ち出すという話も聞こえてきませんし、むしろ、保証制度は縮小の方向で検討というような話も聞こえてきます。

【対象となったのは何社くらい?】
 金融庁の発表によれば、法律が施行された平成21年12月4日から平成24年3月31日までに、中小企業について金融円滑化法の対象となり実施されたのは約289万件だそうです。
★金融庁「中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について(確報日)」
http://www.fsa.go.jp/news/24/ginkou/20120719-2/01.pdf
 この公表値は件数と金額は分かるのですが、何社が利用したかはわかりません。そこで、1社が3つの金融機関に平均2.5回の申込みをしたとしたら、という計算をして推計すると約40万社が利用したと思われるということです。
 中小企業が約400万社とすれば、結果として約1割の中小企業が金融円滑化法を利用したということになります。このうち、実際に倒産してしまうのは何件でしょうか?日本では、ピークの1984年には約2万社が倒産したが、この金融円滑化法の対象となった2010年と2011年は、景気が悪いにもかかわらず大体1万3000件程度で推移したそうです。その差の約7000件に金融円滑化法の最初から最終までの期間の3.5年を掛けると約2万4500件となります。ちなみに日経新聞(平成24年7月21日)の記事によれば「金融庁は全国に約400万社ある中小企業のうち、円滑化法の終了に伴って支援が必要となる企業は5~6万件と見込んでいる」ようです。

 ただ、私はこの数字はちょっと甘いと思っています。というのも、帝国データバンクや商工リサーチに出てこない、ごく小さな零細企業の倒産や個人のお客さんの不払いも増えるでしょうし、これまで2度にわたり延長された対象の中小企業が一気に資金繰りに窮すれば、その取引先も連鎖的に資金繰りを窮することになり、放射状に資金繰り破綻が広がっていく可能性があるからです。もちろん倒産防止共済などもありますが、それに加入しているのは昨年の平成23年3月末現在で約30万件(平成21年2月中小企業庁資料)だそうです。

【では、どうするか】
 上記政策パッケージでも、金融機関のコンサルティング機能の強化がうたわれていますが、金融機関は自社の経営上の対策として貸出金額の大きい先を優先して対応をすると思われます。
 ですので、自分の会社がその金融機関の貸出先の上位にいると思えない場合には、金融機関からの対応を待っているのではなく、自ら経営再建策を立てる必要があります。そのためには、顧問弁護士さんや顧問税理士さんがいる場合には、すぐに相談したらいいでしょう。ただし、必ずしも全ての弁護士さんや税理士さんが事業の再建を得意としているわけではありません。その場合、顧問弁護士・税理士さんから事業再生を得意としている弁護士・税理士を紹介してもらうのもよいでしょう。顧問弁護士・税理さんがいない場合には、金融機関によっては弁護士・税理士さんを紹介してくれるかもしれませんし、商工会議所・商工会に相談するのも一つの手でしょう。ただ、そういう先には相談しにくいということであれば、弁護士会のやっている「ひまわりほっとダイヤル」(0570-001-240 おおい!ちゅうーしょー!)に電話してみたらいかがでしょう。全国共通番号ですが、電話をかけた場所の地元の弁護士会にかかり、中小企業問題を扱っている弁護士を紹介してくれます。弁護士会では「ひまわりサーチ」★http://www.bengoshikai.jp/search_area.html という弁護士の取り扱い分野を検索するシステムもやっていますので、それで検索するのもいいでしょう。もちろん私もご相談に乗りますので、遠慮なくご連絡ください。★http://www.tmlo.jp/index.html
とにかく、一人で悩んで時間を費やすことはやめてください。既に金融機関は金融円滑化法終了後の対応について検討を始めています。
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