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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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仕組債の譲渡損失 

【仕組債の譲渡損失】
By 岩松琢也

公認会計士・税理士の岩松です。

このブログに原稿をアップするのは大分久しぶりになってしましました。
ちょうど確定申告等の繁忙期に、M&Aや相続などのご相談が重なったりして、ついブログに手が回らなくなってしまいました。そろそろ人手を増やすことも検討しようと考えております。

 一昨年くらいからご相談を頂く事の多いテーマの一つに、デリバティブや金融仕組債に関する相談がございます。皆さんご存じとも思いますが、リーマンショックとその後の円高の影響で、特に外貨の絡んだ金融商品を持っていた法人・個人におきまして、急激な経済環境の変化、特に為替の変動によって多額の損失が発生するケースが多発しております。こういった商品の多くは契約上は原則として中途解約が認められておらず、当初の投資額の半分を超える損失が生じていたり、毎月多額の損失が生じる状態になっていても損切りをすることができず、また、例外的に金融機関が中途解約や買い取りに応じてくれても、高額の解約金が請求されることとなっております。

 ただ、以前は金融機関に当該商品の買い取りや中途解約について交渉に応じてもらうこと自体が難しく、そのことについてのご相談が多かったのですが、最近では、金融ADRという制度が整備され、金融機関も顧客と交渉を行う場ができたということで、これによって話し合いが行われるようになってきております。

 先日ご相談を頂いた方は、個人の方なのですが、リーマンショック前の時期にある証券会社から外貨建の仕組債を購入しており、多額の損失が発生した方でした。
 その方は幸いにも昨年に証券会社が当該債券を買い取ってくれることになり、損失はもちろん発生するのですけれども、何とか始末をつけることができました。そこで相談というのが、当該損失を、他の所得と通算して税金を減らすことはできないかというお話しです。ご本業の所得の多い方でしたので(だからこそこうした仕組債も買えたのですが)、仕組債の譲渡損を他の所得と通算できれば税金をかなり減らせることができます。しかし、通常の株式などの取引は、分離課税といって、株式の売買同士での通算はできても、給与や事業所得など他の所得と通算することはできないことになっています。
 本件につきましても、おそらくそれはできないだろうと考えたのですが、取扱証券会社に確認をすると、どうも通算できる商品らしいということがわかりました。

 いろいろと調べたり、税務署と打ち合わせたりした上でこの3月に申告を済ませましたが、本業の所得と通算することによって、結果的に損失額に対して約4割程度の金額の税額が減少することとなり、まとまった還付を得られることになりました。
もちろんそれでも、損失は挽回し切れておりませんが、買い取りしてもらえずに仕組債を持ち続けていれば、ずっと不安と損失を抱え続けていたことになりますので、大変喜んで頂けました。

 申告に際して、その仕組債の資料を読んでみたのですが、非常に複雑で、恥ずかしながら私もその内容について十分に理解をするのは困難でした。資産家の方とはいえ、個人の方がこのような難しいものをよく購入されたと思い尋ねたところ、商品の説明は全く受けておらず、ただ外貨立てで非常にいいものだからと勧められて買っただけだとのことでした。おそらく証券会社の営業の方には反論もあるものと思いますが、資料を拝見した印象としては、投資の専門家ではない一般の個人に、いくら説明をしたといっても、十分な理解の上購入したものとはとうてい考えられず、そもそも投資の専門家以外に販売することが妥当な商品であったのか強い疑問を感じました。

 最近では、銀行でも外貨建ての投資信託など複雑な商品を多く取り扱っておりますけれども、購入される際には慎重に検討し、できれば専門家にアドバイスを求めることをお勧めいたします。
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