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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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65歳までの再雇用制度、規制強化の方向へ 

【65歳までの再雇用制度、規制強化の方向へ】
by 中野泰

年金の支給開始年齢を68歳~70歳程度に引き上げる話は
少なくとも来年の通常国会に法案提出はなくなりましたが、
雇用の方はしっかり規制強化の動きが出てきました。

厚生労働省は、65歳までは希望者全員が再雇用される方向で検討を始めました。
現在は、労使間で再雇用される人について客観的な基準を作成し、
その基準に合致している人を再雇用するという方式で再雇用制度を設けている会社が大半です。

おそらく現在設けられている基準の例としては、次のようなイメージではないでしょうか。

・心身ともに健康であり、通常レベルの業務に耐えられること
・過去○年以内に減給以上の懲戒処分を受けたことがないこと
・過去○年の勤務評価が○以上であること

こうした基準が撤廃されるということは、
不健康な人であっても、定年直前に懲戒処分となった人も、
勤務評価が低い人であっても、本人が希望すれば再雇用するということになります。


今回の規制強化を従業員の視点から見てみましょう。

ちょっと前までの人は60歳の定年を迎えてからは、働かずに年金暮らしとなりました。

今は、年金の支給開始年齢が上がっている最中で、
60歳から年金暮らしで悠々自適、というわけにもいかなくなりつつあります。

最終的には、64歳までは1円も年金がもらえなくなる時代がすぐそこに来ています。
(対象となる男性:昭和36年4月2日以降生まれ)
(対象となる女性:昭和41年4月2日以降生まれ)

60歳から隠居の身、ということはしづらくなりましたが、
『それならあと5年働いて、年金がもらえなくなった期間の生活費を稼ごう』
という意識の方が多いかと存じます。

年金の支給が遅れる代わりに、働ける環境を作るので、
自分の力であと5年稼いでください、という政府からのメッセージを受け止めるということです。

次に、経営側の視点で見てみましょう。

率直に言えば、年金の支給年齢を上げることを決めたのは政府ですが、
60~64歳の間の収入を保証するために、
なぜ企業につけを回すんですか?という気持ちの方が多いのではないでしょうか。

定年退職というのは、ある意味円満退職に向けた一つの仕掛けです。
職場で働くには厳しいレベルの不健康な人、
パフォーマンスが出ておらず、解雇したいくらいの方、
過去に懲戒処分を受けるような、会社にとってはいてほしくない方。

こうした方々について、本当に解雇するのは波風が立ちますが、
「定年退職」であれば、それを理由に双方ともに納得できるわけです。

法改正がなされれば、こうした人もあと5年雇用し続けなければならなくなります。

また、60歳定年であれば、欠員補充として若い人を雇用するところ、
欠員が生じなくなるため、若年者の雇用も滞りがちになります。

その一方で、民間企業は利益を追求する団体ではありますが、
社会の公器としての側面も持っています。
この規制強化はよく言えば、社会の公器としての役割を
より一層荷いなさいというメッセージである、という捉え方もできます。

これは経営者としては厳しい時代に突入ですね。
相当な意識改革と、今回の規制強化をバネにした生産性の向上が求められます。
来年の通常国会での法案が通れば、早ければ2013年からの施行となります。
来年も雇用関係・社会保障関係の法改正に目が離せない一年となりそうです。

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