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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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MDRTの本質 

【MDRTの本質】
By 伊月貴博

 ㈱フィナンシャルリンクサービスの伊月です。仕事柄、毎日色んな方々とお会いしますが、特に最近、名刺交換をすると良く、「MDRTをお持ちなんですか?」と言われる機会が増えてきました。

 私は、弊社を起業する前職の外資系生保に所属していた2006年から、MDRT会員の資格をずっと維持し続けていますが、4~5年前迄は、名刺に刻印している「MDRT」のロゴを見ても、「MDRTって何ですか?」と聞かれる事が多く、毎年頑張って資格を取得しても、世間の認知度はまだまだ低いなあと感じていました。昨今、世の中の全ての分野においてプロフェッショナルが求められ、本物志向になって来ている時代背景も相まってか、我々ファイナンシャルアドバイザリーの世界でも、「MDRTブランド」がかなり浸透してきたように思えます。ただ私自身がつくづく感じますのは、MDRTそのもの存在が、残念ながら、世間一般の多くの方々に、かなり誤解されて伝わっている気がしてなりません。

 弊社の特徴の一つとして、社長である私を含め、コンサルタントにはMDRT資格の取得を義務付けています。言い換えれば、そのくらいMDRTには拘っています。だからこそ、MDRTが正しく社会に認知されなくてはならないと常日頃から感じております。以下、私が常日頃から感じている、MDRTに対する2つの大きな誤解を紹介させて頂いた上で、MDRT本来の在り方、本質に触れてみたいと思います。

①MDRT会員=成績オンリーによる優秀者 であるという誤解

 確かに、MDRTの入会基準の中で最もクローズアップされている部分が「成績」である事は間違いない事実であり、各金融機関が発行する成績証明書に基づいて、米国本部が毎年、厳格に成績基準を定めています。米ドルで定められた数値は世界銀行が発表する購買力平価(PPP)を元に換算レートが定められ、世界76ヶ国の現地通貨ベースに落とし込まれます。入会基準には大きく3つ、1.手数料 2.保険料 3.収入に分けられ、例えば、2012年度日本会入会基準は、手数料:\11,676,100- 保険料:\35,028,300- 収入:19,941,200-となっております。そして、この数値のそれぞれ3倍の基準を達成すると、COT(コート・オブ・ザ・テーブル)6倍の基準を達成するとTOT(トップ・オブ・ザ・テーブル)という名誉な称号を与えられます。

 私自身も、プロフェッショナルとして仕事をしていく以上、一定レベルの数字、実績、成績を担保するのは当然だと思いますし、入会基準に毎年の成績証明を提出する事に全く異議はありません。しかし、MDRTの世界大会(アニュアル・ミーティング)や各種研修会に参加すると、成績とは全く別の価値基準がある事を教えられます。MDRTのホームページにアクセス頂くと、最初にMillion Dollar Round Table(MDRT)とは…とあり、以下のように定義されています。

「世界76の国と地域、31,142名(2010年8月現在)の会員を有する、卓越した生命保険と金融サービスの専門家による国際的かつ独立した組織です。
世界中の生命保険・金融サービス専門職の毎年トップクラスのメンバーで構成され、そのメンバーは相互研鑽と社会貢献を活動の柱とし、ホール・パーソン(バランスのとれた人格を志向すること)を目指し、努力しています。またMDRT会員は卓越した商品知識をもち、厳しい倫理基準を満たし、優れた顧客サービスを提供しています。
ビジネスと地域社会のリーダーとして、生命保険と金融サービスの専門家として世界中で認知されています」


 特に私は「ホール・パーソン」という言葉に全てが集約されていると考えます。即ち、MDRTが目指す基準の本質は、単に成績や収入だけでなく、知識や倫理、社会貢献や家族、健康といったものも含め、総合的な人格、人間力を磨いていく事が必要なのだという認識です。実際、成績や数字だけに固執してMDRTのタイトルを狙う人を数多く見て来ましたが、単年度ベースで1回、2回くらいは入会出来てもプッシュセールスに走り、コンプライアンスが乱れ、継続率が悪化し一過性で消えていくコンサルタントが後を絶たないのが現状です。ホール・パーソンを目指して自己研鑽することを怠らなければ、結果としての成績は後から付いてくるというのが本来の姿ではないでしょうか。
これは、MDRTの成績資格期限が1年で、年度が変わるとまた0からスタートするように決められていることで納得させられます。

 お陰様で私も、2006年度から2011年度迄、6年連続でMDRT成績資格会員をさせて頂いております(7年目の2012年度はCOTが確定)が、欧米にはTOT(MDRT基準の6倍)を10年も20年も連続でクオリファイしているとんでもない方々がゴロゴロ存在します。MDRTの世界大会に出席し、彼らから直接学ばせて頂き、インスピレーションを日本に持ち帰って実践していますが、まだまだ彼らには及びません。ビジネスの世界でも、スポーツやアーティストの世界でも、成功者に共通しているのは、高いパフォーマンスを継続して出し続けている人達です。欧米のファイナンシャルアドバイザーの職業ステータスが非常に高いのも理解出来ます。

 トップセールスなんて言葉は今や過去の遺物です。MDRTは単なる成績優秀者の集まりではなく、ホール・パーソンを目指す集団で、そういうクオリティーを持ったコンサルタントがもっと沢山出てくれば、日本のファイナンシャルアドバイザーの社会的地位や評価も違ったものになってくると思います。

②MDRT=生命保険だけのタイトル であるという誤解

 MDRTは直訳すると、The Premier Association of Financial Professionals(卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織)と訳されています。上述した定義の中にも、生命保険と「金融サービス」の専門家…とあります。実際、成績証明も、契約した商品によって、コアとノンコアに分類され、コアはまさに死亡保障を中心とした生命保険、ノンコアは医療保障と言った、所謂、第3分野の保険商品に加え、投資信託や債券等の金融商品が含まれています。全体の成績の50%以上をコア商品で計上しなければならないという縛りはありますが、平たく言えば、証券会社で扱っている商品は全てノンコアで、MAX50%迄の成績計上が可能な訳です。

 このことに気付かされたのは、2007年にコロラド州デンバーで開催された世界大会に出席した際、とある分科会の席で米国のMDRT会員に「あなたが日本で成績計上した商品構成を教えて欲しい」と聞かれた際、当時私は外資系生保に所属しておりましたので、当たり前のように「全て生命保険です」と答えたところ、「アンビリーバブル!そんな偏った商品構成はあり得ない!!」と言われたのです。と言われても、生命保険会社に所属しているのだから、生保以外物理的に販売出来ない事、私だけでなく、日本の会員は皆、生命保険だけだと答えたところ、青い目を丸くされた記憶が今でも鮮明に焼き付いています。

 私はこの時に初めて知ったのですが、欧米では特定の生命保険会社や証券会社にファイナンシャルアドバイザーが直接雇用されているケースは非常に少なく、金融機関からの営業上の政策や影響を受けないよう、「製販分離」が徹底され、殆どが日本でいう代理店や仲介業という形で、金融機関からは完全に分離・独立し、中立公正に生保、証券含めた数多くの金融商品をフルオーダーで組み合わせ、クライアント側に立って、ワンストップスタイルで、質の高いコンサルティングを愚直に行うというのが当然とされています。

 そうした彼らのビジネスモデルを目の当たりにし、私は日本がいかに遅れているかを思い知らされました。証券会社出身の私としては、生命保険と資産運用を融合させたワンストップ型の総合金融コンサルサービスは究極の理想でしたので、この時の衝撃が現在の会社を立ち上げる切掛けになった事は言うまでもありません。「増やす~備える~使う~遺す」といった、資金が動く様々な局面を一元的に管理サポート出来るのが、プロのIFA(Independent Financial Adviser 独立系金融アドバイザー)であり、またその成果としてMDRTがキチンと機能し、リンクしているのです。

 日本でも今は証券会社や銀行もさかんに保険を販売しておりますが、にも拘らず証券会社や銀行からMDRT会員が出てこない最大の理由は、日本では未だMDRT=生命保険のタイトルという誤解が蔓延しているからだと思います。

 弊社は今年、新たに所属した金融商品取引業者(証券会社)に初めてMDRTの成績証明書を発行して貰い、MDRTの概念をIFAビジネスに取り入れた事で表彰を頂きましたが、これからも少しづつ実績を挙げていく事で、MDRT=生命保険オンリーという誤解を解いていきたいと思います。

 以上、MDRTにまつわる二つの誤解を私なりに問題提起させて頂きましたが、私自身が日々の業務の中で感じる事は、特に金融サービスの分野においては、少なくとも日本は欧米から10年以上は間違いなく遅れていると感じますし、まだまだ縦割りで、行き過ぎた規制だらけだと思います。ここ最近発表された保険会社の相次ぐ合併、大手証券各社の人員削減は、これまでの日本の金融ガラパゴス的ビジネスモデルが構造的に限界に来ている証拠です。

 MDRTにリンクする形で、自立型でプロ意識の高いファイナンシャルアドバイザーが多数出てくれば、経済の血液循環である金融が活性化され、ひいては社会全体が活性化していくと考えます。私も丸の内アドバイザーズメンバーの力を借りながら、引き続き頑張って行く所存です!
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