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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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経営計画発表会 

【経営計画発表会】
by 岩松琢也

 丸の内アドバイザーズの岩松です。

 先日、関与先の会社様の経営計画発表会にお招きいただきました。
その会社では、年度の初めである4月の第1週に経営計画発表会を開催しております。
経営計画発表会には、ほとんどの社員が参加し、そのほか取引先や金融機関なども招待されています。そして、社長が全社の今年度の目標と計画を発表するのに続き、各部署や店舗ごとにそれぞれの目標と計画をプレゼンしていく全員参加型のイベントとなっています。その後は席を改めて懇親会となり、わたしも従業員の方たちと並んでお食事をごちそうになりました。

 発表会では、何年か前から、社長は事業承継について話しをしており、自分が数年後には社長を退くこと、その後、会社は持ち株会社制へと移行し、それぞれの事業会社のトップに権限を委譲していくこと、などのビジョンを語っておりました。今年は、いよいよ明確に引退の時期を明言し、後を引き継ぐ後継者は覚悟と決意を新たにしているように見受けられました。まだ社長は元気で経営に対する意欲にも衰えは見られませんが、元気なうちに後ろに下がって、若手を後見し、教育しようというお考えと見受けられます。元気なうちに時間を作って、少しは奥さん孝行もしようかというお気持ちもあるようです。

 懇親会の時など、何人かの従業員や若手幹部の方とお話しをしましたが、みなさんの士気は高く、招待されていた経営者仲間の方は「自走の段階に入っている(トップがあれこれ指示をしなくても、従業員たちが自発的に考えて行動をしている状態)」と褒めておられました。

 この会社では、全社的にビジョンを共有し、社員全員に会社経営への参加意識を持たせるとともに、トップの交代に備え幹部に意識を持たせ、会社のさらなる発展へとベクトルを上向きにさせるのに、非常に効果的に経営計画発表会を利用しております。

 事業承継を進める経営者の方には、是非このような事例を参考にして、事業承継の施策の一環に加えることをお勧めいたします。
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資本性ローンについて 

【資本性ローンについて】
by 岩松琢也

 丸の内アドバイザーズの岩松です。先日、資本性ローンの融資を受けるための事業計画作成のご依頼を頂きました。

 これは、正式には「挑戦支援資本強化特例制度」という新規事業や企業再建などに取り組む中小企業の財務体質強化を図るために資本性資金を供給する制度に基づく融資で、地域経済活性化のために、一定の雇用効果が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力の高い事業などに取り組む事業者を対象にしており、以下のような特例があります。

・無担保・無保証
・融資期間は15年、10年、7年のいずれかで、期限一括償還(期限が来たときに一括返済する)
・劣後ローン(法的倒産手続きの開始決定が裁判所によってなされた場合、償還順位が他の全ての債務に劣後する)
金融検査上、自己資本と見なすことができる。

 上記のうち、金融検査場自己資本と見なすことができるというのはどういうことかといいますと、たとえばこの特例による融資を受けた会社が、他の金融機関からもお金を借りている場合、それらの金融機関がこの会社の決算書を査定するときには、この特例の融資の金額を自己資本として査定をすることができるということです。

 たとえば、もともと自己資本が1,000万円だった会社が、この資本性ローンで1億円の融資を受けたとします。すると、この会社に融資をしていた他の銀行が決算書を査定するときには、もともとの1千万円にこの資本性ローンの融資額1億円を加えた1億1千万円をこの会社の自己資本として査定をすることができるということになります。つまり、この資本性ローンを受ける事によって、このローンによる資金が得られるだけでなく、自己資本相当額が増えることによって他の銀行等からの信用力もアップするという効果が見込まれます。

 実際に、今回上記の資本性ローンを受けた会社様も、他の銀行にその旨の説明をしたところ融資枠の拡大に好感触を得たというお話しを聞いております。

 この特例を受けるのには、いくつかの条件があるのですが、事業の拡大に資金調達が必要な際にはご検討頂くと大きな効果が見込まれます。
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社会保険料の負担感 

【社会保険料の負担感】
by 岩松琢也

 4月からの消費税率改訂がいよいよ間近となって参りました。年明けから税率アップに際しての取り扱いや対応の仕方などについてのお問い合わせも増えており、対応に追われている方も多いことと思われます。ちょうど所得税の確定申告の時期でもあり、なにかと税に対する話題が増えて、経営者に限らず、税に対する意識が高くなってきていると感じます。
 
 先日、ご訪問先の従業員の方と話しをしておりましたところ、やはり増税の話題となり、消費税の負担感や、いわゆる富裕層と比較しての公平性についてのご不満などを伺いました。これは、マスコミの報道でも多く見られる論調ですので、多くの方が同様に感じていることと思います。もちろん、私も消費税の増税はダメージを受けますので有り難い話しではないのですが、消費税や所得税についての報道のされ方には少々説明不足を感じてもおります。

 よく「税金が高い」と仰る方のお話しを聞いてみると、意外と給与明細の内訳についてはよくご覧になっていないことが珍しくありません。仮に、給与の額が30万円の方についての源泉徴収額を計算すると、以下のようになります。
 (2014年2月現在の東京の会社で、協会けんぽ加入を前提とします。)
総支給      300,000円
厚生年金      25,680円
健康保険      14,955円
介護保険      2,325円
雇用保険      1,500円
社保合計      44,460円
社会保険料控除後 255,540円
所得税       6,750円
手取り      248,790円
※上記では住民税は入れておりませんが、だいたい所得税の倍くらいとなります。上記の例で住民税を所得税の倍の金額として計算すると、手取額は235,920円となります。

 上記の例でいいますと、給与の総支給額30万円に対して、住民税も含めるとだいたい6万4千円が源泉徴収されて手取りは23万6千円くらいとなるわけですが、実はこのうち所得税は6,750円に過ぎません。年末調整から確定申告の時期にかけて、よく医療費控除などで税金を取り戻そう、といった話題が上りますが、そうした還付の対象となるのは所得税ですので、上記でいえば、全体の源泉徴収額6万4千円のうち、還付申告の対象となるのは6,750円に過ぎません。

 また、上記の例でさらに家計に対する消費税の支出がどのくらいになっているかについて考えますと、まず、ローンの返済や家賃の支払いなどの住宅に関する支出は消費税の対象にはなりませんので、それと貯金を除いた分が消費税の対象になる支出と考えられます。上記の例で、手取額235,920円のうち、住宅支出や貯金の分を除いて100,000円を支出したとしますと、それに対する消費税は従来で5,000円、4月以降で8,000円ということになります。

 こうしてみると、多くの会社勤めの方にとって、最も負担となっているのは所得税や消費税ではなく、圧倒的に社会保険なのだということがわかります。しかも社会保険は労使折半、つまり従業員の負担しているのは総額の半分ですので、同じ金額を会社でも負担しております。つまり上記の会社でいえば、給与30万円の人を雇用するのに、会社は344,460円プラスアルファを負担することとなり、会社は当然この社会保険負担を含めた総額を考慮に入れて給与の額を決定します。上記の例について言い換えますと、会社としては社会保険料も含めると344,460円を支払ってその人を雇用しているのですけれども、その344,460円のうち本人の手取りとなっているのは、235,920円だということになります。
このうち、会社負担と本人負担を合わせると、社会保険の料率は給与の金額の約30%で、所得税と住民税と消費税を合わせた分よりもさらに大きい割合を占めます。

 こうしたことは、従業員の立場だとそれほど実感を持っていない方が多いようですが、経営者の方は皆さん非常に頭を悩ませております(社会保険に加入していない会社は問題外ですが)。従業員の新規雇用に当っては、当然社会保険料の負担も含めて採用数や給与の額を検討しなければいけませんし、また、社会保険料の会社負担を軽視してそれらを決めてしまったために、後になって資金繰りに苦しんでしまうというケースもまま見受けられます。

 いま、政府では消費税増税後の消費の伸び悩み、経済成長の躓きを懸念して、賃金のアップを経済界に呼びかけておりますが、一方で、今年は介護保険料率もアップする見込みで、社会保険料の負担は一層重くなります。
 人件費は一般的に他の経費よりも減らしづらく、また、給与水準が変わらなくても社会保険料の負担で人件費は上がっていくという傾向が続くとなると、制度的には経営者は雇用や給与水準のアップに常に逆風を感じている状態となっています。

社会保障支出をふやして、福祉の充実を訴えるのは耳障りはいいですが、こうした実情を踏まえて、社会保険料の負担軽減の方策も考えないと、長期的な見通しの中で新規の雇用や給与のアップを経営者が決断することは容易ではないことと懸念します。
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海外送金手数料の値上げ 

【海外送金手数料の値上げ】
by 岩松琢也

 先日、ある会社で、支払証憑のチェックを行っていたときのことです。
その会社は、海外の工場で商品を製造しており、それを輸入して国内で販売する事業が大きい割合を占めております。そのため、仕入や物流費など、海外への支払も金額、頻度ともに多いので、それらの内容を確認してチェックしておりました。

 海外への支払の時には、金融機関に海外送金の手数料が発生します。それを見ておりますと、おやっと思いました。今年の5月までは3,500円だった海外送金手数料が、6月から急に4,500円にアップしております。取引金額の大きさによるのかと思いますと、6月の支払の方が金額は小さいのに、手数料だけ上がっておりますし、一律定額で発生しているように見えます。

 銀行の計算書を見る限り、定額の手数料が3,500円から4,500円にアップしているように見えますので、経理の方に聞いてみたところ、銀行からは何も説明はなく、黙っていつの間にかアップされていたようで、気がつかなかったという話しです。

 3,500円から4,500円に上がったということは、3割近いアップですから、説明がなかったというのは、ちょっと信じられない話しですが、あるいは計算書と一緒にその旨の説明を書いた書面が同封されていたのを、気がつかなかったということなのかもしれません。
 送金の回数1回あたり1,000円増額されるわけですから、会社の負担は決して軽くはありません。通知があったのか、なかったのか、いずれにしろ一方的に上げられたことには違いはありません。しかし、この会社に限らないと思いますが、今期は為替が急激に円安に振れた影響で、多額の為替差損の計上を余儀なくされております。

海外取引には、外貨と円の換算時の手数料の他、信用状の開設手数料やユーザンス金利などのコストもかかりますし、為替予約をつければそれにもコストが上乗せされます。計算すると、すでに海外との外貨取引では銀行に相当の金利や手数料を支払っておりますので、それに加えて海外送金手数料まで、知らないうちに上げられていたというのは、首をかしげたくなります。

中小の企業は大企業のような交渉力がないため、為替予約をつけるにしても、思うような条件ではなかなか受けてはもらえません。さらに、為替予約の代わりにと勧められたデリバティブでむしろ大きな損失を被ってトラブルになっているケースも多く見られます。
今年のような急激な為替の変動では、ヘッジの手段やノウハウも限られ、体力的にも余裕のない中小企業ではかなりの負担が生じております。

上記のように、通常よりも金利や手数料の多く見込める海外取引を行う会社は銀行にとっていい顧客であろうと思いますので、こういうタイミングで手数料を上げたりするのは疑問を感じますし、上げるにしても、会社にきちんとした説明と理解を求めるのでないとおかしいものと思います。

この文章を読まれている会社の方で、海外取引がありましたら、手数料を確認してみることをお勧めいたします。
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個人保証と資金調達 

【個人保証と資金調達】
by 岩松琢也

 公認会計士・税理士の岩松琢也です。

 今月早々(平成25年5月2日)に、中小企業庁と金融庁の共同で設置された「中小企業における個人保証等の在り方研究会」から、「中小企業における個人保証等の在り方研究会報告書」が公表されました。
http://www.fsa.go.jp/singi/chushoukigyou/index.html

 中小企業では、金融機関から借り入れを行う際に、8割超の経営者は個人保証を提供しているといわれております。個人保証によって、中小企業が金融機関の融資を受けることが可能になっているという面もありながら、一方では、個人保証は、保証を行う経営者等に対して過大な経済的、精神的負担、負わせることにつながり、企業や事業の拡大、事業の後継者への承継、あるいはM&Aによる第三者への事業の譲渡などの阻害要因となって、経済の活性化に悪影響を及ぼしている面もあります。

 本来は、株式会社という組織は、制度上「所有と経営が分離」しており、出資者は出資額を上限として責任を負う「有限責任」のみを負っていて、経営者は出資者に対して経営責任を負う、という仕組みであり、これは、資金を調達して起業や事業の拡大を行うことを容易にする、という目的によるものです。

 しかし、現実には、日本の中小企業では多くの経営者は個人保証によって金融機関の融資を受けており、本来株式会社は有限責任の組織形態であるのが事実上無限責任になってしまい、本来の制度上の趣旨が損なわれております。

 こうした中、現在検討が進められている民法の改正においては、経営者が全財産を失って再起不能に陥る問題や、親戚や知人など経営に関与しない人まで保証を負わされて債務の肩代わりを迫られるという問題が後を絶たないことを背景として、個人保証に制限を行うという案も議論されております。

 しかし、個人保証が、起業や事業承継、M&Aなど経済の活性化の阻害要因になっているという批判の一方で、個人保証を制限しすぎると、金融機関が中小企業に対して融資を行いにくくなってしまうのではないか、という懸念もあります。
 融資を行う金融機関としては、中小企業に対して担保資産の裏付けのない融資を行うには大きく次のような懸念があります。

 ①中小企業の決算書は粉飾など信頼性が低く、融資の判断に必要な十分な情報が得られない。
 ②中小企業の多くは、会社と経営者の家計の区分があいまいになっていることが多い。

 上記の2点は、いずれも融資を行う側からするともっともであり、個人保証の問題を解決するには上記の問題をクリアすることが必要です。そして、両者のうち特に決算書の信頼性は、それが十分信頼に足るものであれば、経営者が会社と家計を区分しているかを判断する情報源ともなり、そういう場合であれば融資を断ったり、あるいは個人保証をつけることについても合理的な根拠が得られますので、より優先的に取り組まれるべき問題であるといえます。

 中小企業では、上場企業と比較して、会計監査のような法的な裏付けがありません。そこで最近では、決算書が適正に作成されているかチェックリストの提出を求め、それによって決算書の信頼性を確保し、金利等の融資条件を優遇するといった取り扱いをする金融機関も出てきました。このチェックリストでは、所定の項目ごとに会計基準に従って会計処理が行われているかをチェックするようになっているのですが、その会計基準につきましても、最近整備が進められております。

 日本の会計基準はこれまで上場企業を中心に整備されてきており、特に最近では国際会計基準との整合性についての議論が進んでおります。しかし、こうした上場企業に適用される会計基準は、一方で中小企業については税務会計との乖離があったり、事務負担などの面で実務になじまないことが多く、中小企業の会計業務において会計基準への準拠性を厳格に問いにくい一因にもなっておりました。そこで、中小企業の実態に見合った会計基準を制度化する事が、結果的に中小企業の決算書の信頼性を高めることにつながる、という認識の基に、中小企業庁と金融庁が共同して設けた「中小企業の会計に関する検討会」から、平成24年2月に「中小企業の会計に関する基本要領」(略称「中小会計要領」)が公表されました。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/youryou/

 これまでは、大企業で準拠されている会計基準は中小企業の実態にそぐわない、という免罪符のもとに、適正とはいいがたい会計処理も見逃されてきた面がありますが、今後中小会計要領への準拠性が問われるに従って、そうした言い分けが通用しなくなって行くと考えられます。

 個人差はあるでしょうけれど、これまで税理士業界は、自戒も含めまして、中小企業の会計の信頼性に十分な指導的役割を果たしてきたとは言い難いのが現実です。しかし今後は、決算書の信頼性の向上が、中小企業への融資にプラスに働き、個人保証による弊害を減らして経済の活性化につながるよう我々としても貢献していくべきと考えます。

 上記のように、制度的には、会計基準を整備すると共に、個人保証を制限することで、中小企業に対する融資の基盤を整えて経済活動を活性化しようという方向性が出てきております。あとは、金融機関の側で、信頼できる決算書で回収可能性の判断ができれば積極的に融資を検討するという姿勢が見えれば、経営者の意識も変わっていくものと思われます。
 決算書がいいかげんであったり、会社と家計のケジメがなければ、個人保証を求められても仕方がありませんし、返済できる計算が立たずに借金を重ねれば悲劇的な結末を招きます。まだ現状としては、中小会計要領は十分に認知されているとはいえませんが、前向きに努力している経営者の方には、上記をご理解頂き、適正な決算書で金融機関にアピールして融資を受ける事を心がけていただきたいと思いますし、私たちもそのための協力をしていきたいと考えております。
 
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