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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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宇佐神宮 

先日、事業承継のご相談で大分に出張してきました。
少し時間に余裕ができましたので、宇佐神宮にお参りしてきました。
宇佐神宮
八幡神社の総本宮ですが、なにやら気の流れを感じるようなとても立派な神社でした。
ご相談の流れにもよりますが、これから時々大分にはご訪問することになるかもしれません。
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認知症の相続人 

【認知症の相続人】
by 岩松琢也

 丸の内アドバイザーズの岩松です。

 先日、相続人のなかに認知症の人がいるのだけれど、どうしたらいいかという相談を受けました。
 そのおうちではまだ相続が発生しているわけではないのですが、相続税の申告などで、相続人に認知症の方がいるケースはかなり多くなってきております。
 
 相続人に認知症の人がいると遺産分割ができなくなると言われたのだけれども・・・と相談されたこともありますが、さすがにそうではありません。程度にもよりますが、相続人としての意思判断や、書類に署名をしたりといった手続きに支障を来す場合には、成年後見人をつけて、成年後見人にその人の代りとなってもらって手続きを進めることになります。

 成年後見人の手続きは家庭裁判所で行う事になりますが、遺産分割の場合においては、たとえばご本人の子供などの身内でも、遺産を分ける上では利害の対立がある、ということになりますので、同じ相続人同士の関係にある人は成年後見人として認めてもらえません。多くの場合は、弁護士や司法書士などが裁判所から選任されて成年後見人に就任しております。そうすると、ほかの相続人はこの成年後見人を交えて遺産分割協議を行い、相続の手続きを進めていくことになります。

 しかし、上記の手続きは、ケースバイケースでもありますが、かなり時間がかかるようです。以前九州の方のご相談であった例では、裁判所に依頼して成年後見人が決まるまで、半年以上の日数がかかりました。そして、成年後見人に就任した弁護士さんとの協議を行うのも、その弁護士さんとなかなかスケジュールが合わなかったりして思うように進まず、結局ご相続が発生してから1年半以上も遺産分割協議が進まないまま、ついには認知症のご本人が先に亡くなってしまう、という事態になりました。
 その間、遺産分割が未確定のために、証券口座は凍結されたままで、相続財産の投資信託や外債などは相場が下落して評価額が4割以上下がっても指をくわえて見ているだけになってしましました。不動産の相続登記ももちろんできません。
 相続税の申告も、申告期限に遺産分割が確定していませんでしたので、配偶者控除も小規模宅地の特例も使えません。

 この場合は認知症のご本人が途中で亡くなりましたので、遺産分割も相続手続きも未了のまま成年後見人は退任ということになるのですが、それでもある程度の手数料は支払わなければいけません。結果的に、相続人の方達は時間の面でもコストの面でもかなりの負担となってしまいました。

 このような事態を回避するのには、相続が発生する前に、早い時期にあらかじめ遺言書を公正証書で作成し、遺言執行人を指名しておくことをお勧めします。そうであれば、相続が発生した場合、遺言執行人が遺言に従って相続の手続きを進めることができますので、相続人の方達は相続手続きの事務負担が格段に減少します。特にご高齢の方の場合、配偶者が亡くなったのをきっかけに残された方にも認知症が出るといった例もございますので、事前に用意をしておくのが安心です。
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経営者の身の引き方 ③ 

【経営者の身の引き方 ③】
by 加藤雄一

 私は、丸の内アドバイザーズグループの登記関係を担当しております四谷司法事務所の司法書士加藤雄一と申します。

 前回の続きです。

<MBOによる内部承継とは>
 MBOとは最近ではよく聞くと思いますが、Management BuyOutの略称でマネジメント バイアウトと言います。会社の副社長や専務などの現経営陣の全体や一部で株式を創業者やオーナーから買い受けて事業を承継していくことです。同じ様なものでEBO(Employee Buy Out)という非役員の部門長や従業員が譲り受けるものや、MBOとEBOの合わせ技のMEBO(Management and Employee Buy Out)というものもあります。
対象になる会社の経営を把握しているコンサルタントや金融機関などがこの手続きを勧めてくることもあるようです。

 一般に、経営者が社内の優秀な社員(番頭さん)などに会社を承継させようとする場合、後継者が会社の株式を買い取る資金があるかどうかが問題となります。
業績や財務内容がよくて株価が高い会社だと、内部の社員では株式を買い取るだけの手元資金がありません。かといって、株式を買い取らずに経営だけを引き継いでも、経営者としての地位や経営権は安定せず、雇われ社長にとどまってしまいます。そこで、会社の資産(現預金や不動産など)を担保に融資を受けてその資金で株式を買い取る、というタイプのMBOが行われる、というケースが多く見られます。


メリット
・内部の有能な社員に事業を承継させることができる。
・後継者がオーナー経営者として事業を引き継げる
・オーナーとしては株式の売却により譲渡代金を得られる

 事業承継者自身がオーナー会社経営の立場になるため、意欲溢れる者や有能な人材が事業を承継することが考えられます。また、既に会社で役員の地位であったものであればよりスムーズに経営者に移行することが可能です。長年事業に携わってきた、当会社のことをよく知る人物に承継させられるということが最も優れた点と言えます。

 オーナーとしても株式の売却により、まとまった譲渡代金を得ることが可能です。

デメリット
・多額の資金調達をするのに、MBOする側の覚悟が必要
・外部のコンセンサスを得られるとは限らない
・金額の算定に注意が必要

 MBOの場合、今までは雇われ経営者であったり、一介の取締役(ないしは従業員)にすぎない立場であった者が、一度に多額の資金を借り入れることになったりするため、自信や勇気に加えて、相応の覚悟が必要であると言えます。また、複数の経営陣でMBOを行う場合は各自の責任の所在や、MBO後の担当の割り振り、取り決めなどを行っておかないと後日の紛争の種になってしまいます。

 オーナー創業者から、経営陣が会社を買い取った場合は、外部から見ると、現経営陣がオーナーを追い出したような内紛のように見られることもあります。また、何も知らない従業員も動揺が走る恐れもありますので、極力オープンな形で進めていくことも考えられます。
反対にオープンに進め過ぎると他からの横やりや、邪魔などが入ることも考えられますので、対策が難しいところです。

 内紛と見られなくとも、旧経営者の信用力や属人的な人間関係でつながっていた取引先や、旧経営者の個人保証によって融資をしていた金融機関が事業承継に難色を示すなど、新経営陣が外部から事業承継についてコンセンサスを得られない事もあります。

 株式の買収金額は、会社の株価算定により決定しますが、MBOの場合、これから会社の株式を買い取ろうとする後継者たちは、業績を上げて会社の評価が高くなると、将来MBOを行うときの買収金額も高くなってしまいますので、利益が相反することになります。そのため、後継者達は将来自分達(現経営陣)が安く会社を買い取れるように、現在の業務を手抜きして会社の価値を下げておこうとする恐れが生じます。また、MBOをする際に、旧経営者側と後継者側とで、買収金額を巡って争いとなることもあります。


<合併、分割とは>
 合併は、2つ以上ある会社が契約によって1つの会社になることです。合併された会社は消滅して無くなることになります。反対に分割の場合は現在ある会社が2社以上に分かれることです。

メリット
・企業規模の拡大
・資金調達が無くても可能

 会社を合併することにより、二つの会社が一つになるので、その分企業規模が拡大することになります。

 株式の売却などでは、株式購入資金が必要になるものですが、合併の場合は合併される会社の所有者(株主)に対して、現金の交付も出来ますが、現金に限定されず、自社の株式を交付することも可能です。その場合は現金が無くても合併が出来るわけなので、資金の調達が無くても合併が可能です。

デメリット
・簿外債務なども包括的に承継してしまう
・合併手続きにコストがかかる

 合併により、会社そのものを承継することになるので、その会社で行っていた契約などは、好ましいものもそうでないものも包括的にそのまま引き継ぐことになります。そのため、簿外債務等があった場合でもそのまま引き継ぐこととなります。事前の調査や準備が大切になります。

 合併手続きには、債権者保護手続による公告などで、ある程度のコストが発生すると共に一定の日数を要します。実際に合併を検討する際には、手間と費用、時間等の面で負担を感じるケースは多いようです。


<まとめ>
 こうして記載してきましたが、事業承継タイプだけでも、複数あり、また、どの方式を採用するかは各会社の状況や将来どのようにしたいのかでも変わってくるものです。私は司法書士の立場からの意見になりますが、税務面、社員の人事面、社長の意向、法律面など、いろんな面から検討していく必要があります。
一人の意見だけではなく、より多くの専門家の意見を取り入れて失敗しない事業承継を行っていただきたいと思います。

以上
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経営者の身の引き方 ② 

【経営者の身の引き方 ②】
by 加藤雄一

 私は、丸の内アドバイザーズグループの登記関係を担当しております四谷司法事務所の司法書士加藤雄一と申します。

 前回の続きです。

〈株式の売却とは〉
 株式の売却とは、文字通り、所有している株式を他に売却することです。株式というより「株」と言う方が馴染みがあると思います。
 株式会社であれば、種類株などを発行していない限り、原則、1株について1議決権があるため、株主総会において、大株主は行使できる議決権が多くなるわけですから、影響力が強いことになります。株主総会での決議は単純に考えれば株式を過半数以上所有しているか否かでほぼ決まってしまうということになります。

 株式自体は第三者に売却したりすることができますので、オーナーが株式の大多数を所有しているような中小企業の場合はその株式を売却することにより、事実上、その会社そのものを売却することになるのです。

 買収やM&Aというものの主要な部分は、この株式の売却と言えます。

 株式の売却のメリットとデメリットは以下のことが考えられます。

メリット
•株式の売却手続きだけで、会社に関するすべての売却が行われる。
•所有している会社が現金化できる。
•株式の譲渡の手続きは、事業譲渡や不動産取引の手続きと比較して簡便である。
•会社の所有者(株主)が代わるだけなので、売却の事実が外部からわかりにくく、既存営業などへの影響が軽微である。


 株式の売却の場合は、取引されるのは株式であり、会社という「箱」自体が移転するわけではありません。そのため、会社が有していた、権利・義務や資格、許認可、登録などは原則そのままです。不動産などを多く所有している場合などは、事業譲渡などでは、登記の名義の変更をする際に多額の登録免許税がかかりますが、株式の売却の場合は、名義の変更の必要は無いので、その分のコストが削減できるとも言えます。
また、株式の売却はオーナーとしてみると、所有している株式の売却代金が直接自分の手許に入りますので、リタイアするための手段として考えやすいかと思います。これに対して、事業譲渡では、事業の譲渡を行うのは会社ですので、譲渡代金も会社に入ることとなり、直接的にはオーナーの収入にはなりません。

 株式の譲渡の手続は、株券を発行している会社であれば株券の交付が必要であり、株券を発行しない会社の場合は、株式譲渡の契約を締結することで売却ができます(実務では印鑑の交付とか、役員の変更など細かい作業もありますが、株式譲渡契約の締結と対価の支払が譲渡の重要な部分です)。

 株式の売却があってもそれ自体で会社という組織(箱)自体が変わるわけでは無いので、売却時点での営業には大きな影響は起きにくい、とも考えられます。ただし、会社の所有者と共に、通常は会社の代表者も変わりますので、経営方針や人材配置その他は新しい経営者の考えにより変わっていくことはありますし、取引先や従業員など前の経営者との個人的なつながりが強かった相手については何らかの影響が生じることもあります。

デメリット
•非上場の株式の評価は難しい。
•株式の所有者が多い場合は意見や権利を集約する事が難しい。
•好ましくない契約関係(簿外債務など)も、一括してそのまま引き継がれる。
•買う側は現金の準備が必要。

 株式の売却については、その価値(株式の譲渡金額)をどのように評価するかは簡単ではありません。会社全体の価値が株式の評価額になると考えられますが、その会社の持っている見えない価値などをどのように評価するのか、反対に簿外債務などが無いかの確認等も必要になってきます。

 株式の売却に至る前提の話になってしまいますが、そもそも、株式が細分化している(つまり株の所有者が多数いる)場合などは、売却の価格や方法などで、意見がまとまらず、株式売却まで至らないということもあり得ます。

 また、株式の売却の前に、買い手にとって好ましくない内容の契約などが行われていた場合、その契約は前のオーナーの関係だから、こちらは関係ないという主張はできません。株式の評価や買収監査の論点にもなりますが、既存の契約にどのようなものがあるのかを把握した上で譲渡金額を調整しておく必要があります。銀行の融資などを受けていた場合は、社長個人が連帯保証などをしている場合も多くあると思いますので、そのような契約を引き継がないよう、また、引き継がせないよう手続きを行う事も求められます。

買う側はもちろん現金の準備が必要になります。

<親族への内部承継とは>
 この場合は、株式の譲渡先を親族にしておくことと、今後の為に役員を親族に変更しておくことになります。今まで見てきたものは第三者への会社(事業)の譲渡ですが、これは身内への事業承継であり、右肩上がりの時代には身内へ承継しておけば何とかなったものですが、時代背景から、最近ではなかなかうまく承継が進んでいないのが現状です。

メリット
•親族による経営が継続し、身内同士での引き継ぎによる安心感
•時間をかけて計画的、段階的に承継を行う事ができる
•社内、社外からのコンセンサスを得やすい

 身内への事業の譲渡は、事業の相続でもあり、会社に限らず日本で古くから行われてきた考え方ですので、メリットについてはイメージが湧き易いかと思います。

デメリット
•親族間の意見がまとまらない場合もある(会社以外の財産も含めた相続争いとなるケースなど)
・適任となる後継者がいない(後継者の能力不足や、子供があとを継ぎたがらないケースも含む)
•事業を引継ぎたい考えの者と、お金に代えたい者との認識のズレ
•旧経営者の社内への影響力の行使

 当事者同士が身内であるため、話し合いで物事が決まっていきやすいものですが、影響力が強い旧オーナーなどであると、事業を承継して引退したあとでも経営にいちいち口出しをしてきたり、社内に影響力を残したりしてしまうこともあり、結果、承継が上手くいかないこともあります。
また、親族が複数いる場合、子供が複数いる場合に兄弟姉妹それぞれの考えが異なり、事業を行いたい者と、売却してお金に代えたい者がいることがあったり、事業会社の株式以外の相続財産を含めて、全体の遺産分割の方針(相続税の納税資金の手当も含む)についての協議がなかなかまとまらないこともあります。
さらに、残念ながら、後継者に経営者としての能力が不足していることや、子供がいても事業を承継する意思がない事などもあります。

 ただ、このようなことは時間をかけて後継者を育成し、その間に他の優秀な社員(番頭さんとか)に経営を補佐してもらうなどの対応ができますが、長期的な視点に基づいた事業承継計画が必要になります。目の前の業務に追われてなかなか長期的な経営が出来ない中小企業が多く、計画的に事業承継を進めている会社は現実的にはきわめて少数であると言われております。

(次回に続きます)
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経営者の身の引き方 ① 

【経営者の身の引き方 ①】
by 加藤雄一

 私は、丸の内アドバイザーズグループの登記関係を担当しております四谷司法事務所の司法書士加藤雄一と申します。

 ここ何年か景気の悪い時期か続いておりますが、しかし、自民党の政権復帰後景気回復の兆しも出ており、会社経営者にとっては、会社の辞め時の判断は難しいと思います。

 「家族経営なので、自分が元気なうちは頑張る」とか、「社員のことを考えると会社を存続させなければいけないので、いずれ後継者に譲る」とか、「事業がうまくいっていないので、会社をたたもう」とか、「そこそこ売り上げも上がっているので、他の方に会社ごと買ってもらおう」とか、いろいろな方針、方法があるかと思います。
しかし、一方では、残念ながら法的な整理をしなければならない場合もあります。いわゆる「倒産」です。
いずれにしても、各種方法、手続がありますので、皆様の状況に応じて最適なものを選択していくことになります。

 では上記について、経営者の身の引き方としてはどういったものが考えられるのでしょうか?

大きく分けて2種類あり、その中で複数のパターンが考えられます。

事業を承継させていくもの(事業承継タイプ
事業を終了するもの(清算廃業タイプ

括弧書きの名前は、決まった言い方は特になく、ここで私が名付けたタイプです。今回はこのタイプのうち、事業承継タイプの説明を致します。

<事業承継タイプ>
事業承継タイプを更に細分化すると下記のものが考えられます。
・事業譲渡
・株式の売却
・親族への内部承継
・MBOによる内部承継
・合併、分割

以下、各細分化したものを説明致します。

<事業譲渡とは>
 事業譲渡とは、法人格はそのままに、その会社で行っている事業だけを譲渡してしまおうというものです。例えば、会社が債務超過の場合を考えてみましょう。会社自体は債務超過ですから、そんなに引継ぎたい者がいるとは思えませんが、一部の優良事業だけとか、ある事業だけを切り離して譲渡するということができます。

 例えば不動産賃貸事業と小売業とを行っている会社で考えると、不動産賃貸事業では銀行からの借り入れも大きくて返済が大変なのだが、小売業は身の丈の範囲での借入しかなく、小売部門だけみると黒字が何年も確保できているという会社があるとします。
その場合は、小売部門のみを事業譲渡し、その売却による現金で借入の多くを返済するということが考えられます。
また、反対に不動産賃貸事業のみを売却して不採算部門を切り離すということも考えられます。

 ここでいう事業とは、「売り上げを上げていくための組織のこと」と考えるとわかり易いと思います。前の例で言えば「不動産だけ」「在庫品だけ」を譲渡することは事業譲渡ではありません。

 スタッフや、仕入先、取引先、なども含めて譲渡することになります。もちろん、その一部だけを対象とすることもできます。

 法律的には「商法」の時代では「営業の譲渡」という言い方をしていましたが、「会社法」に変わってからは「事業の譲渡等」という言い方をします。
 会社法では467条以下に規定があります。ここでは、事業の譲渡についての定義付けというより、事業譲渡する際の必要な手続の規定になっています。

 ただ、それほど難しい決まりではなく、事業の全部の譲渡や、事業の重要な一部の譲渡の場合は、株主総会の特別決議が必要であるという規定になります。(会社法467条及び会社法309条2項11号)


 それでは、事業譲渡の場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット
・当事者間の契約によって、譲渡対象が選べる
・高い値段での売却ができることもある
・譲渡する事業が引き継がれる
・一旦現金が入る
・簿外債務などを引き継ぐ可能性が低い
などが考えられます。

 商取引である以上、相手のあることなので、こちらの思う通りに進むとは限りませんが、不採算事業と、高利益事業がある場合には、高利益事業を高く買い取ってもらい、不採算事業の債務の清算に充てるなどという手法もあります。
 反対に不採算事業を安く引き取ってもらい、会社の体質を改善するということもできます。

 会社の経営者の方には、自分で事業を興してきた自負から、事業に愛着や思い入れがあることが多いと思います。そのような場合は、事業譲渡によって、譲受会社が事業を継続してもらえる可能性もあるわけですから、引継が可能な事業譲渡を選択することもあります。

 事業譲渡は基本的には、事業の売却とも言えるわけですから、一旦、売った方は会社に現金が入ることになります。これで負債等を清算することも可能です。

 事業譲渡は、当事者間の契約により引き継ぐ事業や内容を個別に決定するため、契約上規定されていないものを引き継ぐということはありません。そのため、意図しない簿外債務を引き継がされることは、まずありません。(契約上、隠れた債務なども引き継ぐ場合は別ですが...)

デメリット
 一方、事業譲渡の場合のデメリットは
・個別の資産や契約、取引先ごとに対応・手続きを行うことが必要となる
・原則として免許や許認可は再取得となる
・譲渡益に対して法人税等が、譲渡金額に対して消費税等が課税される。
などが、考えられます。

 たとえば、建物を所有してお店を経営している会社が、そのお店の事業譲渡をする場合、建物を一緒に売却するのか、買い手に賃貸して引き継いでもらうのか、店の従業員の雇用について各人ごとに、継続して雇用するのか否か、仕入先を引き継ぐのか否か、借入を引き継ぐのか否かなど、それぞれ個別に対応して検討することが必要になります。
 また、借入(債務)については、各債権者の承諾がないと承継できませんし、従業員の雇用についても、それぞれの従業員が引き継ぎに同意するかどうか承諾が必要です。仕入れ先や販売先など、すべての取引先についても同様です。そうすると引き継ぎたいものが、うまく引き継げなくなり、そもそも事業譲渡ができなくなってしまうこともあります。

 免許や、許可は、原則引き継げません。もともと免許や許可は、事業を行っていた元の会社に対して与えられたものであり、事業譲渡により引き継ぐ会社が同様の免許や、許可を持っていない以上は再度承継会社で免許や許可の取得が必要になります。
 また、引き継ぐ会社が許可等を持っていても、承継した部分は再取得というケースもあります。

 事業譲渡は事業の売却とも言えますので、売却により譲渡益となれば法人税等が課税されますし、譲渡金額は消費税の課税対象となります。
 登記手続においては不動産の名義を変更する場合に登録免許税が必要となります。

(次回に続きます)
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