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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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相続税における広大地評価(3) 

【相続税における広大地評価(3)】
by 下木原仁

 不動産鑑定士の下木原(東西アプレイザル)です。相続時にお問い合わせの多い広大地判定の留意点についての3回目になります。

 今回は、広大地に該当するための4要件のうち、その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく面積が広大であること、開発行為を行うとした場合、道路、公園などの公共公益的施設の負担が必要と認められることについて概説致します。

要件3. その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく面積が広大であること
 その地域における標準的な宅地の面積とは、評価対象地の近傍での土地売買に当たって、需要の中心となっている土地面積となります。具体的には土地の売買事例を分析して判断することが必要ですが、地価公示や地価調査のポイントの地積や、各自治体の開発指導要綱における最低敷地面積も参考となります。一般的には100㎡~150㎡程度が標準的な宅地の面積となるケースが多いでしょう。
次に標準的な宅地の面積に比して著しく面積が広大であることについては、上記で判定した標準的な宅地の面積と比較して、評価対象地が著しく面積が広大であるかを判断することとなります。各自治体が定める開発許可を要する面積基準(三大都市圏の市街化区域では500㎡)以上であれば、原則として広大であると判断することができます。また面積基準未満であっても、宅地分譲を想定した場合に道路を入れることが必要と認められれば、広大と判断できる場合もあります。

要件4. 開発行為を行うとした場合、道路、公園などの公共公益的施設の負担が必要と認められること
 開発行為を行うとした場合、道路、公園などの公共公益的施設の負担が必要と認められることとは、一般的に宅地分譲を想定した場合に道路の開設が必要な宅地であるかを判断することになります。
道路の開設が必要な宅地であるかを判断するには、評価対象地で宅地分譲を想定した場合の区画割り図を作成して検討することが必要となります。
一般的に以下の宅地は、道路の開設が不要な宅地と考えられます。

1.間口が広く、奥行が標準的な場合

広大地 3-1

2.道路が二方、三方、四方にあり、道路開設が必要ない場合

広大地 3-2


3.路地状開発を行うことが合理的と認められる場合

広大地 3-3





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相続税における広大地評価(2) 

【相続税における広大地評価(2)】
by 下木原仁

 不動産鑑定士の下木原(東西アプレイザル)です。
 相続時にお問い合わせの多い広大地判定の留意点についての2回目になります。

 今回は、広大地に該当するための4要件のうち、大規模工場用地に該当しないこと、中高層の集合住宅等の敷地用地に適していないこと(マンション適地でないこと)について概説致します。

要件1.大規模工場用地に該当しないこと
 大規模工場用地とは、財産評価基本通達22-2に定める大規模工場用地をいいます。財産評価基本通達22-2では、大規模工業用地を50,000㎡以上の地積を有すること等と定義しています。
かなり大規模な宅地でなければ、当該要件に該当することはないと思われます。

要件2.中高層の集合住宅等の敷地用地に適していないこと(マンション適地でないこと)
 マンション適地でないことを判断するためには、評価対象地でマンション事業を行うことを想定し、マンション事業が事業として成立するかを検討することが必要となります。
 マンション事業を行うに当たっては、市場性の観点から有効な需要を有するマンション市場が成立する地域であることが必要であり、また、投資効率性の観点から一定の規模が必要となります。
 したがって、マンション適地に該当するかについては、評価対象地の立地条件からみた市場性の観点からの事業の成立可能性、画地・街路・行政的条件からみた規模としての事業の成立可能性について検討を加え、評価対象地がマンション適地であるかを判定することとなります。
 立地条件からみた市場性の観点からの事業の成立可能性とは、同一エリアでマンション事例がみられ、評価時点において一定のマンションへの需要がみられることが必要です。

 例えば、評価対象地が大都市の郊外の最寄駅から徒歩15分の土地だとします。
同一エリアにおいて、全くマンション事例が無い場合や最寄駅から徒歩10分以内のマンション事例しかない場合は、マンション適地でないと判定できる場合が多いでしょう。
 次に規模としての事業の成立可能性とは、例えば、評価対象地が基準容積率200%の地域の地積700㎡の土地だとすると、評価対象地で想定されるマンションの規模は以下のとおりです。

広大地 (2)-1

 700㎡の土地だと概ね20戸程度の規模のマンションが建築可能です。同一エリアで同程度の規模のマンション事例があれば規模としてはマンション適地ではないと言えるでしょうし、40戸程度以上の規模のマンション事例しかなければ、規模の観点からはマンション適地ではないと判定できることが多いでしょう。
 ただし上記の判定は絶対でなく、地域の将来動向やマンション市況等によって、マンション適地と判定される徒歩エリアや規模が変化する可能性があることには留意が必要です。
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相続税における広大地評価(1) 

【相続税における広大地評価(1)】
by 下木原仁

 不動産鑑定士の下木原仁(東西アプレイザル)です。今回から、相続時にお問い合わせの多い広大地判定の留意点について、数回に分けて概説します。
 第1回は、相続税計算における土地の評価、広大地の評価についての特例、広大地の評価額の計算例をご紹介します。

土地の評価
相続税の計算における土地の評価は、一般的に路線価方式によって算定されます。路線価とは、路線(道路)に面する標準的(整形)な宅地の1㎡当たりの価格であり、千円単位で表示されています。路線価方式における土地の価格は、路線価をその土地の形状に応じた奥行価格補正率等の各種補正率で補正した後、その土地の面積を乗じて計算します。

<路線価方式による土地の評価額の計算例>
広大地1


(正面路線価) (奥行価格補正率)  (面積)     (評価額)
300千円  ×  1.00  ×  180㎡  =  54,000千円

広大地の評価についての特例
路線価方式は、簡便かつ画一的に評価のできることが特徴であり、通常は上記の方法で土地の評価は行いますが、画一的な評価では対応できない土地についてはいくつかの特例が定められており、広大地の特例もその一つです。
広大地とは国税庁の評価基本通達で、『その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除きます。』と定められています。
したがって、広大地に該当するためには以下の要件をすべて満たすことが必要となります。

1.大規模工場用地に該当しないこと。
2.中高層の集合住宅等の敷地用地に適していないこと。
3.その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく面積が広大であること
4.開発行為を行うとした場合、道路、公園などの公共公益的施設の負担が必要と認められること。


 以上のすべての要件を満たす土地は、広大地補正率によって土地の評価額が正面路線価に対し、40%~65%減額されます。

<広大地補正率>
広大地2

広大地の評価額の計算例
広大地の評価額の計算例を具体例で説明します。

<広大地の評価額の計算例>
広大地3


《広大地に該当しない場合》
(正面路線価) (奥行価格補正率)   (面積)       (評価額)
300千円  ×  0.90  ×  3,000㎡  =  810,000千円

《広大地に該当する場合》
(正面路線価)     (広大地補正率)       (面積)  (評価額)
300千円 × (0.6-0.05×3,000㎡/1,000㎡) × 3,000㎡ = 405,000千円

 設例では広大地に該当する場合の評価額は広大地に該当しない場合の評価額の半分となっており、広大地に該当するか否かが土地の評価額、相続税額に極めて大きな影響を持つことになります。

 広大地に該当するためには、前記1~4の要件をすべて満たす必要があるのですが、不動産の専門知識を有していないと判定できない場合も多いものと思われます。
次回以降は、広大地判定の留意点について、4要件毎に掘り下げて説明します。

以上
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平成23年地価調査発表 

【平成23年地価調査発表】
by 下木原仁

東西アプレイザルの下木原です。私は不動産の鑑定評価・コンサルティングを専門としています。今回は私も評価員として担当した平成23年地価調査の特徴について概説いたします。

都市部の下落率は縮小
国土交通省がとりまとめた平成23年地価調査の基準地価(7月1日現在の価格)によると、全国の下落率は前年の3.7%から縮小し、3.4%の下落となっています。東京、大阪、名古屋の三大都市圏は住宅地1.7%と前年の2.9%、商業地2.2%と前年の4.2%から下落率は縮小しています。一方地方圏は住宅地3.7%、商業地4.8%の下落とほぼ前年並みの下落となっています。

上昇エリアも
下落が継続している地域が大半ですが、一部には上昇や横ばいに転じた地域もみられます。東京圏では東京スカイツリーの開業、東京ゲートブリッジの開通を控えた墨田区の商業地や大田区の工業地が下落から横ばいに転じています。また名古屋圏では地下鉄桜通線が延伸した緑区の住宅地が上昇に転じ、地方圏では九州新幹線が全線開通した福岡、熊本、鹿児島の商業地等で上昇となりました。

被災地では調査不能の地点も
東日本大震災の被災地では、岩手の住宅地4.7%、宮城の住宅地3.8%、福島の住宅地5.4%の下落となっており、下落率が拡大しています。なお今回の調査では、東日本大震災による津波や原発事故の被害が特に甚大であった地域では調査休止となった地点(86地点、3県の調査地点の約7%)があることに留意が必要です。調査休止の理由は国土交通省の資料によると調査不能、価格判定不能とのことですが、現地確認ができなかったり、取引が成立していないために価格の算定ができないことによるものと思われます。調査を休止した地点の地価はさらに下落していることが予想されますが、それらの地域の地価の把握には、市場において正常な取引が常態化することを待つことが必要でしょう。

湾岸と内陸で明暗
東京圏においても東日本大震災の影響により、震災前とは違う動きがみられました。湾岸部に位置する浦安市は都心に近い住環境の良好なエリアとして人気があり、平成23年地価公示(1月1日現在の価格)では東京圏で数少ない地価上昇エリアでしたが、東日本大震災による液状化現象によって大きな被害を受け、半年経過した地価調査では、住宅地で7.1%の下落となりました。同じく液状化の被害が大きかった千葉市美浜区も5.2%の下落と下落率を拡大しています。なお浦安市では液状化の影響が甚大な地点(全12地点中7地点)は調査休止となっていることからも、液状化の被害の深刻さがうかがわれます。一方で内陸部に位置する武蔵野市、三鷹市、調布市等の東京都多摩地区は相対的な地盤の安全性が評価されており、下落率は縮小しています。

安全がキーワードに
湾岸より内陸部が好まれる傾向は東京圏だけでなく、東海・東南海・南海地震の発生が想定される地域等でもみられます。地震のリスクは日本全国共通であり、地震による液状化、津波等のリスクや洪水、高潮等の自然災害のリスクの少なさ「安全」が不動産を選別する際のキーワードになるものと思われます。



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