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士業(サムライ)日記  専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

専門家集団・丸の内アドバイザーズのブログ

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資産課税の強化に思うこと 

【資産課税の強化に思うこと】
by 岩松琢也

 丸の内アドバイザーズの岩松です。

 昨年、書評を見て興味を持って、トマ=ピケティ氏の"Capital in the Twenty-First Century"という本を買いました。そのときはまだ日本語に翻訳されていなくて英語版を買ったのですが、結局いくらも読まないうちに日本語版(”21世紀の資本” みすず書房)が出版されてしまいましたので、そちらも買おうかと思っているところです。

 この本では、経済成長や所得格差について統計的に分析したうえで、資産課税の必要性が述べられております。
近年世界的に、富の偏りや経済的な格差の問題、相続税などの資産課税の税制についての問題について、関心が高まっておりましたので、それらの問題について、膨大な統計データの分析に基づいて考察した本書は世界的に話題となりました。

 日本でも、アベノミクスについて格差の面からの議論があったり、なによりも今年(2015年)の1月から相続税の増税が実施されるタイミングでしたので、とりわけ関心が持たれたということがあるだろうと思います。

 さて、その相続税の増税についてですが、国の税収に対してのインパクトという面では、正直なところそんなにおおきな収入増にはつながらないだろうと思います。もともと課税の対象になる人は全体の数パーセントでしかない税目ですので、国の税収という規模からすれば、消費税や所得税のような金額にはなり得ません。これは、どちらかというと、消費税の税率アップ、法人税の税率の軽減に対して、富裕層に対する負担増の税制改正を合わせて行うことによって、バランスをとり批判をかわすという効果と、所得の再分配効果を狙ったものだろうと私は認識しております。

 しかし、国の税収としてはそれほどではなくとも、課税される側へのインパクトは甚大で、高齢化の問題とも絡んで相続税に対する関心は相当高まってきております。おそらく、今回の改正にとどまらず、今後も資産課税の強化は進んでいくでしょうから、当分の間は課税サイドと納税サイドとのいたちごっこが続くだろうと予想されます。

 国としてみれば、資産課税を強化するのであれば、個人資産の保有状況についての把握と、国外への資産逃避の防止が必須となります。平成26年1月から国外財産調書の提出という制度が始まっておりますし、今度の税制改正大綱でも、財産債務調書の提出基準が見直されております。個人が海外に振り込みを行う際にも、金融機関の窓口での手続きは厳格になっているとも聞いております。また、ことしの秋からはいよいよマイナンバーが導入されて、国民全員に番号の通知が始まることになっております。

 これらは、施策としては避けがたい流れであるともいえますが、経済活動がグローバル化している中にあって、一方では税負担を軽減するなど富の流入を図る政策を採っている国もあり、日本から富が流出してしまったり、国内の経済に活気が失われたりしないかという懸念もつきまといます。

 日本は国の債務が1000兆円を超え、財政状態の悪化が懸念されております。今のところは、対外的な債務は少なくほぼ国内で国債が消化されていて、個人の金融資産が債務を上回っている状態ですが、これが逆転してしまうと破綻の危険は現実になりかねません。

 これを企業会計にたとえると、たとえば貸借対照表に年商を上回る借り入れがある一方で、借り入れに対応するだけの預金などの金融資産もあってバランスを保っており、金利と元本の返済は苦しいのだけれども銀行が借り換えに応じてくれているので回っている、という状態といえるかと思います。

 企業価値を評価する際には、資産から債務を差し引いた純資産による評価の尺度と、その企業がどれだけの利益を生み出しているかによる収益力による尺度とがあります。いまの日本は、収益力や成長力に対して負債がかなり大きい状態になっていて、それが金融資産によりきわどくバランスしている状態ですけれども、債務が急には減らない以上、財政を安定させるには、企業でいえば収益力を上げると共に、可能であれば資本を注入して自己資本を充実させるということになります。これを国に当てはめると、収益力を上げるということは、経済を成長させてGDPを増やしたり、経常収支を黒字にするということになります。資本を注入して自己資本を充実させるということは、たとえば海外から日本への投資が増えるようにするということが考えられます。

 財際を安定させて日本のいわば企業価値を上げるためには、国内の課税の強化や資金の流出を抑えるばかりでなく、海外からの投資や人の流入を増やすと共に、国として経済活動の高付加価値化を図る施策を並行して進めていかなければならないものと考えます。
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タイへの海外進出視察 

【タイへの海外進出視察】
by 岩松琢也

 所得税等の確定申告の時期を迎え忙しくなってきましたが、今週、TKC出版の主催によるタイへの企業視察に参加をして参りました。

 現地では、JETRO、タイの金融機関、タイで最大の工業団地運営会社、日本からタイに進出している企業の工場3カ所に加え、日本からタイに進出する企業にコンサルティングやサポート業務を行っている会計事務所などを訪問し、日本からタイへの海外進出の状況等について視察をして参りました。

 タイは、他の東南アジアの国々に比較して早くから日本の企業が進出しておりましたが、一昨年の洪水でネガティブな印象を持たれていることもあるようです。
 一方で、インドネシアやヴェトナム、カンボジア、バングラディシュ、ミャンマーなどが今後の成長性や、人口の多さなどで注目されていて、少し目立たない印象も私は持っていました。

 しかし、行ってみると、早くから日本企業が進出していただけあってインフラは非常に整備されており、電力などエネルギー供給などに不安はありませんし、大変親日的なで国で、日本からの海外進出の誘致にも熱心なようです。シンガポールに行った時には、車や家電製品を始め、日本の商品が全然目立たないように感じましたが、タイでは車もほとんど日本車でしたし、家電売り場でも、ケイタイはサムスン一色でしたが、洗濯機や冷蔵庫など、日立や東芝の製品も多く置いてあって、日本のヨドバシカメラなどの方がよほどハイアールやLGなど中国や韓国の製品が多く並んでいるように感じました。

 現地のコンサルの方や、工業団地の運営会社の方達に話しを聞くと、それぞれヴェトナムやインドネシアなど他の東南アジアの国でも仕事をしているそうなのですが、将来性という点ではそれぞれの国に魅力はあるが、現時点で言うと、インフラの整備や社会の安定性、治安や労働者の気質などトータルにみると断然タイがすぐれているという意見でした。マイナスポイントとしては、人件費が他よりも高めなのと、タイの人たちはのんびりしたところがあって、単純労働の生産性でいうとヴェトナムなどの方がいい、ということでしたが、それでも日本国内で製造するのと比較すればメリットは十分あるので、例えば日本の中小の製造業の会社が単独で海外に進出することを考えるのであれば、タイが一番検討しやすいはずだということでした。

 タイで訪問した会計事務所の方は井上さんという会計士の方だったのですが、実はたまたま10年近く前にお世話になったことがある方で、思いがけずタイで再会するということになり非常に驚きでした。
 その時は、M&Aで、会社を売ってアメリカに移住したいという方があり、日本国籍でアメリカに住んでいる人が、日本にある会社を売って、お金をアメリカに持っていくというご希望でしたので、それについての税務的な問題などについて相談に乗ってもらったのですが、まさにそれ以来のご縁でした。

 井上さんはタイの他にヴェトナムやモンゴルにも事務所をお持ちのようですが、現在はタイでの事業が中心になっているようでした。

 昨年は中国のカントリーリスクが大きくクローズアップされたせいもあって、タイが見直されているようです。一時は洪水の影響でネガティブになっていたのが、去年からは改めて日本からの進出がラッシュになってきているとも聞きました。

 安易な進出は禁物ですけれども、生き残りをかけて慎重に準備をした上であれば、タイは有力な候補地であるということは間違いないように感じました。
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オバマ再選後のマーケットと投資対象について 

【オバマ再選後のマーケットと投資対象について】
by 伊月貴博

 フィナンシャルリンクサービスの伊月です。

 今月6日の米国大統領選挙でのオバマ再選を受け、米国株式市場は大幅下落、為替相場も不安定な動きになる等、マーケットの変動が大きくなって来ています。米大統領選が世界の政治・経済に与える影響は大きく、日本においても非常に注目度の高いイベントで、選挙前から連日ニュース等で取り上げられて来たように、実際、米国大統領選挙が近づくと、クライアントから弊社への投資相談も急増します。

 以前ブログに「オリンピックとグローバル経済」をトピックしましたが、4年に1回、夏季五輪と米国大統領選は同じ年の夏と秋に行われる事もあり、とりわけグローバル金融市場へのインパクトが非常に大きい米大統領選を踏まえた投資戦略をいかに練るかが、クライアントの運用パフォーマンスにも大きく影響して来ますので、私にとっては欠かすことの出来ない、また外すことの出来ない重要なイベントとなっております。

 私は、IFAという完全独立・中立の立場での投資アドバイザリー業務を生業としており、クライアントとは長期信頼関係を前提としたコンサルティングを基本にしておりますので、投資期間は最低でも3年~5年、場合によっては7年~10年の中長期の見通しに基づいたアドバイスを行います。以前、為替の見通しについてのブログにも書きましたが、クライアントとの個別相談業務には直接携わらない、記事やレポートを書く仕事を専門にされている方々や、短期間での成果を追及する傾向にありがちな金融機関とは、違った見方や考え方をお伝えすることもあるかと思いますが、あくまで日々の実務経験を通し、クライアントの利益拡大を目指した目線に基づいた、中長期の見通しについて、私なりの考えをお伝えしたいと思います。

 それでは本題に入る前に、そもそも何故、米国の大統領選挙にこれ程の注目が集まるのかという点に少し触れておきます。
答えはシンプルで、米国は「覇権国家」であり、世界に最も「影響力」のある国だからです。即ち米国は、金融・経済・エネルギー・軍事・IT・通貨・言語など、国際社会の根幹に関わるところのイニシアチブを全て握っている、世界一偉大な国であるという、歴然とした事実があるということです。

釈迦に説法かも知れませんが、
GDP(経済規模)…世界1位(ダントツの1位、2位中国の2倍以上)
株式時価総額(株式市場の大きさ)…世界1位(日本の約5倍、世界全体の約4割)
国土面積…世界4位(日本の約25倍)
人口…世界3位(約3億1,400万人)

等々…

経済のグローバル化が今後も益々進展していく中で、特に、貿易や金融投資等の面で、大きくて強い米国が世界をリードしている現実は疑う余地は無く、加えて米国の経済政策等の立案・実行に携わる責任者も総じて皆、優秀な人材であることから、米国政府への信頼感も非常に高いと言えます。
だからこそ、世界一影響力のある米国のトップが誰になるのかという点に世界の注目が集まるのは自然であり、その米国が何を考え、どういう方向に進んで行くかが発信される節目となる大統領選挙は、今後の投資戦略を占う上でも見過ごすことの出来ない重要なイベントであるという訳です。

 それでは本題に移りましょう。
冒頭、オバマ再選を受けて米国株が下落しているとお伝えしましたが、この理由となっているのが連日メディアで報道されている「財政の崖」問題です。これは簡単に言いますと、米国で今年末~来年はじめにかけて、大型減税の期限が切れ、更に歳出の強制削減が始まることによる急激な財政引き締めにより、米国経済に大きな悪影響が出ると懸念され、株が売られているという訳ですが、そもそもこの問題は大統領選挙前から争点にもなっていた問題で、共和党候補のロムニー氏は、現行の減税継続を訴えていましたが、オバマ氏が再選された事で一気に市場が警戒モードに入った…と言うのでニュース等で騒いでいる訳です。確かにその通りですし、今回の米大統領選挙は、両候補が最後まで拮抗していましたので、私もオバマ大統領が再選された場合、株式市場の短期的な調整は想定していましたので、米国株への新規投資を検討していたクライアントに対しては、選挙が終わるまではキャッシュポジションを維持して頂くよう、アドバイスをしておりました。しかし私の見方は、あくまで今回の調整は短期要因で、中長期における米国株の見通しについては極めて強気ですので、ここからの更なる下落局面は積極的に買って行こうと考えています。

 では何故、米国株は中長期のスタンスでは「買い」なのか、またオバマ再選でマネーがどう動き、何に投資しておく事が有効なのかについて考えます。

 まず、米国大統領選挙で最も重要視される政策は「経済」であるという事実は、歴史が裏付けています。失業率が低く、経済成長率が高いと現職の大統領が再選される確率が高く、在任中に株価が上昇した大統領は殆ど再選されています。実際、オバマ氏の在任期間中の株価(NYダウ)上昇率は3割を超えました。ビル・クリントン元大統領が、父ブッシュ政権を一期で打倒した時の標語「It’s the economy, stupid」(大事なのは経済なんだよ、分かってないね)は健在であると言えます。

 今回、再選後のマーケットを占う上で最も重要視するべきオバマ政権の経済政策の鍵は「金融緩和の更なる継続」である、と私は考えています。即ち、小さな政府を目指し、バーナンキFRB議長の更迭を打ち出していた共和党のロムニー氏ではなく、大きな政府を目指し、バーナンキ議長支持を表明していた民主党のオバマ大統領を米国が選択したことで、米連邦準備理事会(FRB)が9月13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定した、「量的緩和第3弾(QE3)」が今後も継続して実施されるという期待が、これからのマーケットを読む大事なヒントになります。

 量的緩和(Quantitative Easing)とは、2008年の金融危機とその後の景気低迷に対応する為、FRBが初めて導入した米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を大量購入する政策で、金利が0に近づいたので、FRBの資産を増やし、その分のマネーを市場に供給することで、マーケットに対しては一定の金融緩和を促す効果があります。

 一般的に金融緩和と言いますと、「金利」を下げてお金を回して景気を良くすることを意味しますが、2008年のリーマンショック以降、米国は一気に金利を引き下げ、現在は事実上のゼロ金利となっており、これ以上金利を下げることが出来ませんので、今度はお札をどんどん刷って市中に回るお金の「量」を増やすことで、緩和効果を促す政策を取っています。実際、過去に2回実施されたQEでFRBの総資産は約3倍に拡大しています。

 参考までに、米国以上に0金利が続いている日本も量的緩和を実施しています。その額は半端では無く、日銀がこれまで購入した国債の量は既に日本国内に流通している紙幣(お金)の量を上回っています。(個人的には日本版「財政の崖」の方がよっぽど怖いというのが本音ですが…)

 QE3についてご興味のある方は、9月14日の日本経済新聞夕刊に掲載された「FRB議長の会見要旨」「FOMC声明全文」をお読み頂くとお解り頂けるのですが、実は今回の「QE3」は、過去に2度実施された「QE1」、「QE2」と比べインパクトの違いが歴然としています。

ポイントは、QEの「量と期間」です。
・QE1(2008年11月~2010年3月)
 →国債3,000億$、エージェンシー債1,750億$、MBS(住宅ローン担保証券)1.25兆$を購入
・QE2(2010年11月~2011年6月)
 →国債6,000億$を購入
・QE3(2012年9月~)、今回
 →国債を毎月450億$、MBSを毎月400億$購入
→量的緩和策には期限や総枠を設けない
→0金利政策は少なくとも2015年半ばまで継続
→経済が弱くなれば緩和策を拡大する


 仕事上、米国の経済指標の発表、特にFOMCの内容は毎回納得する迄読み込みますが、特に今回のQE3は、改めて米国の「経済」に対する並々ならぬ強い意志を感じました。

 では、この徹底した量的緩和で市場はどう動き、何に投資していけばいいのでしょうか。
マーケットを見ていく上で、QEによる効果は幾つかありますが、ハッキリしているのは、「市場に流動性が注入され、インフレ期待が押し上げられる」ことに他なりません。
過去のQE1、QE2と違い、長期間に渡り、適度なインフレと経済成長が達成される迄、無期限に量的緩和が行われるという事になれば、キーワードは「インフレ期待により、上昇が見込める投資対象(インフレに強い資産を持つ)」ということになります。

となれば答えは、①金 ②株式 ③不動産 が王道であることは言うまでもありません。
私は、オバマノミックス第2幕の幕開けという視点からも、場合によっては次の大統領選挙、4年後の2016年頃迄は、①~③は長期上昇トレンドを維持していくと考えますので、これらに関連する資産をポートフォリオに組み込んでいくというのが私の結論になります。

 それでは、投資対象として考えた場合の、特に①金と②株式について、その特性と今後の見通しについてお話して締め括りたいと思います。(③不動産については専門の先生にバトンタッチしたいと思います。)

 まず金ですが、資産として考えた場合、希少価値があり、耐久性が高く、世界中で通用します。信用リスクはありませんが、利子、配当が付かないことから「守りの資産」と言われます。金は、経済全体のインフレと連動し、最も安全性が高い資産であると位置付けられていますので、株式や債券のように、発行体や取引相手の信用力の影響を受けないことから、特にここ数年、究極の資産保全手段として注目を集めています。
金の上昇率は米国の消費者物価を上回っていますので、インフレに勝つ投資対象として考えた場合、非常に有効であると言えます。
また、世界の基軸通貨であるドルと金価格は明確な逆相関関係にありますので、QEが続く間は、ドル相場の大幅な反転も見込めないことから、金を中心とした商品市場に資金流入が続く可能性が高いと考えます。
米国の主要経済指標の中でも最も注目される月例データである雇用統計で、失業率は直近で7.8%ですが、FRBも今後ゆっくりとしか失業率の低下が進まないと予測しており、私も金融引き締め時期は早くても2015年~2016年、失業率で5%台が定着する迄は、金融緩和を継続すると見ています。

 需給面においても、伝統的に金を好む国であるインドと、金投資がまだ初期段階にある中国という、2大人口超大国の金需要の拡大余地は大きいと思いますし、両国の外貨準備に占める金の割合はそれぞれ9.8%、1.5%と、米国の75.1%、ユーロ圏の63.0%と比べても非常に低く、追加購入の余地は大きいと言えます。中でも中国は成長スピードが減速して来たと言っても、毎年7~8%GDPが伸びていますので、仮に今後10年間、このままの成長率が続けば、72の法則で考えても経済規模は現在の2倍になりますから、まさに中国も習近平体制がスタートするタイミングでもあり、投資が拡大していく公算が大きいでしょう。
 以上、金につきましてはインフレ期待、ドルとの関係、需給面から、資産の一つとしてポートフォリオに組み入れておくメリットは大きいと考えます。

 次に株式ですが、株式は金と同様、インフレに強い資産ですが、個別企業のリスクを負うことにもなります(投資信託という形で保有すればリスクは軽減されますが…)ので、金とは対照的に「攻めの資産」であると言えるでしょう。株式の中でも私が特に推奨したいのは「米国株」です。

 確かにNYダウを例に取れば、冒頭お伝えしましたように、直近の高値から約1,000ドル程調整していますが、2007年10月の史上最高値14,165ドルまで、後1,577ドル(11月16日終値12,588ドル)、直近の高値、10月5日の13,610ドルからですと、後555ドルという水準にあります。QEが米国株を押し上げている事実は疑う余地がありませんが、米国株が上昇して来た最たる要因は、米国企業の業績の良さです
先月24日の日経新聞に「米グローバル企業 低調」という見出しで、世界経済同時減速の影響が米国のグローバル企業の業績にも及び始めたという記事が出ていましたが、多少減速したと言っても、米国グローバル企業が稼いでいる絶対額は半端な金額ではありません。先月発表された、米主要企業の7-9月期の純利益で見ましても、例えば、IBM 38億ドル、マイクロソフト44億ドル、コカ・コーラ23億ドル、マクドナルド14億ドル、1ドル80円換算で計算するとそれぞれ3040億円、3520億円、1840億円、1120億円です。しかもこれは1年間の数字では無く、たった3ヶ月間の利益です。

 これと日本を代表するグローバル企業と比べて見ますと、例えばトヨタ2836億円、ソニー▲4567億円、味の素418億円、コマツ1670億円、ファーストリテイリング717億円、しかもこの数字は、昨年度、1年間で稼いだ(稼げなかった?)純利益ですので、業績の裏付けからしても、日経平均株価が未だ1万円を回復出来ていないのも納得出来ます。まして現在、米国10年国債の利回りは約1.6%、米主要500社で構成する株価指数をもとに、1株利益を株価で割った「株式益回り」はざっと8%と大きな開きがあり、更なる増配余地も期待され、米国株への投資魅力はこれまで以上に増していると言えます。

 私も長年、米国株、米国株関連投信をクライアントに提供して来ましたが、米国の最大の魅力は、いつの時代も世の中を牽引するニュー・ビジネス、イノベーション・カンパニーが数多く存在するという点です。これまでのPC、インターネット革命もそうでしたが、代替エネルギー、モバイル、クラウドコンピューティング、ライフサイエンス等々…企業家精神旺盛な人材、研究・開発を行う学術機関、成長資金を応援するベンチャーキャピタル、IPOをリードする投資銀行、莫大な株式市場規模を誇るNASDAQ…

 以上、株式につきましては、年末に向け「財政の崖」による混乱は想定されるものの、米国企業の絶対利益額が高く、また利益水準から見た株価は決して高く無いこと、常に新しい産業を創造する、次世代を担うエマージング・カンパニーが多数存在する事から、長期投資で考えた場合には、それなりのパフォーマンスが期待出来ると見ていますので、リスク許容度の範囲内でポートフォリオに組み入れておかれる事を推奨します

 金、株式共、個別の商品、銘柄をこの場でご案内することは出来ませんが、ご興味のある方はご相談下さい。

オバマ政権1期目に打ち出した政策のポイントは大きく3つ、
①雇用回復を最優先させ、公共投資と減税を組合せた大胆な経済政策を打出したこと
②事実上のゼロ金利政策と徹底した量的緩和策(QE)の継続
③金融システム不安に対処する流動性供給、公的資本注入、預金保険拡充の実施
でした。この結果、米国経済は持ち直し、株価も上昇し、そして再選されました。

 最後に余談ですが、迫る「財政の崖」に対しては、米S&P国債格付け責任者のジョン・チェンバース氏が、日経ヴェリタス10月28日号のインタビューの中で減税措置が延長されるとコメントし、また今月12日、国際エネルギー機関(IEA)が発表した「世界エネルギー見通し」の中で、2017年までに米国が石油とガスの生産量でサウジアラビアとロシアを抜いて世界最大になると予測しました。今、米国には「ブラック・ゴールド・ラッシュ」と呼ばれるシェールガス革命が起きています。世界最大の石油輸入国である米国がもし、純輸出国に転じたとしたら、米国の財政は一変するでしょう。

再選オバマ氏には是非、最初の試練を乗り越えて頂く事を期待します!

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若者の起業と就活 

【若者の起業と就活】
by 岩松琢也

 公認会計士・税理士の岩松です。

 いま、日経の朝刊1面で「働けない若者の危機」という特集記事が連載されておりますが、先週の11月7日(水)の記事の終わりの方に、次のような文章がありました。

(以下引用)
『日本では社会的な起業の広がりが若年層の雇用の幅広い受け皿になるのは時間がかかるとみられる。人材の流動性が低く「転職や再挑戦のリスクが大きい」(早大教授の谷本)からだ。
 野村総研上級コンサルタントの山口高弘は「才能や意欲のある若手が会社に縛られず社会に出ることは総論として評価できる。しかし組織で大きな事業を動かせる力を持つはずの人材が、独立して資金調達などに追われるのは社会にとって損失だ」と指摘する。
 若者が今の就活に背を向けることを単なる現実逃避と片付けられない。何かに挑もうとする彼らの行動力をどう生かすか。社会全体で知恵をしぼるときだ。』

 上記の文章の中で「才能や意欲の~社会にとって損失だ」というところまでのコメントは、日本の社会では一般論に近い考え方だと思うのですが、しかし、これからは世の中の方がむしろ変わっていかないといけないように思います。

 大きな事業を動かせるはずの人材が資金調達に追われて思うように成長できない、ということは間違いなく社会にとって損失ですし、実際に起業に際しての資金調達は本当に困難を極めます。アメリカなどに比べて日本で起業が少ないのにはいくつか理由が考えられますが、資金調達はその中でも特に大きな要因です。

 ただ、上記の記事の流れでは、「若者の就職先がなかなか見つからない中で、起業を指向する学生が出てきているが、日本の現状ではまだ起業は就職の受け皿になるとはいえず、有望な若者が然るべき企業に就職できずに起業で苦労するのは社会的な損失だ」というような論調を感じます。(あくまで私の感じ方で、それほど明確な意図は無いかもしれませんが)

 私も、年配者の雇用を維持する一方で若者の採用を絞る多くの日本企業には将来性も今後の成長もないだろうと思いますが、しかし、個別の企業ではそれぞれ事情もあり、一方では定年延長など高齢者の雇用を創造するような政策の方がむしろ政府は熱心ですので、やむを得ないかもしれません。

 それであれば、起業を志す若者には、資金調達や事務所等のインフラの提供など、せっかくの力を無駄に浪費することなく事業の成長に専念できるようサポートする制度を充実させて、学生の起業がもっと増えるようにすることが社会にとっても有益だろうと思います。上記の記事はもともとの意図ではないものの、無意識のうちに起業に対するネガティブな考え方が入り込んでしまったのかもしれませんが、いまの日本の中小企業のうち、戦後の高度成長期に創業した会社がかなりの割合を占めていて、それらの会社が日本の経済を下支えしてきたことを考えれば、これから日本の経済を活性化するのには、そのような起業に対する負のイメージを変えて、もっと前向きにならなければいけないものと考えます。
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銀行借り入れに関するご相談 

【銀行借り入れに関するご相談】
by 岩松琢也

 公認会計士・税理士の岩松琢也です。

 ここのところ、いくつかの関与先から、借り入れに関するご相談をいただき、お手伝いをするケースがでてきております。新規の借り入れだったり、資金繰りのご相談の一環だったり、リスケなどの条件変更や、金利負担を軽くするための借り換えなど、内容はさまざまですが、資金繰り表などキャッシュフローに関する資料の作成の支援や、今後の資金計画の作成あるいは資金繰り改善のための助言、あるいは今後の事業計画や経営改善計画策定の支援、その他金融機関から依頼された資料を用意するための諸々のお手伝い、といった仕事が主な内容となります。
 
 例外はありますけれども、関与先から聞いておりますと、金融機関の融資のスタンスはあまり積極的ではありません。信用保証協会の保証付きや公庫以外では、プロパーの融資を受けることはかなり困難ですし、融資を受けられる際でも、担保資産を提供してもかなり控えめの金額となります。また、経営者がご高齢で、会社や事業がどう承継されるか具体的に明らかになっていない場合などは、資金繰りや担保資産の価値の面で条件が悪くなくても、やはり難色を示されることになってしまいます。

 全てが、とはいえませんけれども、特に都銀は基本的に中小規模の企業に融資をする考えはあまり持っていないのではないかと思います。例外的に、キャッシュリッチな会社や、不動産など優良な担保資産を多く持っている会社など、それほど資金的に融資を必要としていない会社や、貿易など為替業務の生じる会社で経営的に安定しているケース、あるいは経営者がいわゆる富裕層で、保険や投資信託、その他相続関連の業務などでオーナー一族向けのビジネスが見込める場合などは積極的に融資の提案もあるようですが、それ以外の一般的な会社相手になると、「貸せる会社がない」と融資の営業の方が言っているのをよく耳にします。

 事業を始めて日が浅かったり、これから事業を承継するという方は金融機関とどのように接したらいいかわからないことが多いものですし、また、長年事業を続けてきた経営者でも、だんだん年を取って事業承継の問題が深刻になってくるに従い、他の点では特に問題が生じていないのに金融機関の姿勢が変わってきて当惑していることも増えております。
 一方で、金融機関の方はといえば、会社との関係が希薄化して上記のようなことに対するケアがなかなか思うようにできていないことが多いと見受けられます。また、せっかく会社の事情をよく把握して、コミュニケーションができたところで担当者が異動して振り出しに戻り、相談中の業務が頓挫することもままあります。

 以上のようなことが理由だと思いますが、自分の会社はどのようにしたら金融機関に融資をしてもらえるのか。どの金融機関にどのようにアプローチしたらいいのか。どんな資料が必要で、どう用意したらいいのか。金融機関の目から見て、自分の会社にはどんな問題があってどのように解決したらいいか、あるいは、どの程度の金額まではお金を借りても大丈夫か、など、お話しを聞いているといろいろなご相談が出てきます。また、金融機関の方からも、必要な資料や情報が不十分なために手続が進まないケースなどで、助かったと言って頂けることもございます。

 金融円滑化法が来年3月に期限切れを迎えることが見込まれる中で、金融機関の融資先への対応が既に変わってきているという話しも耳にすることが多くなってきました。事業を継続する余地のある会社や、将来性のある会社が立ちゆかなくなってしまうことのないよう、お力添えをしたいと考えております。
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